ヴァイオリニスト 鈴木舞 ニュースレター Vol.55

【テクノロジーとクラシック音楽

今月はニューヨークでの出来事の続きからお話ししたいと思います。

フランス人の友人は一時帰国のためにパリへ発ってしまいましたが、お家には引き続き泊まっていてよいとのことでしたので、お言葉に甘えて日本行きの便に乗る日まで滞在させてもらうことにしました。

ニューヨークの街を歩いていると、アメリカが持つ底なしの自信のようなものが、あちこちで掲げられている国旗やたくさんの巨大な建造物など、街並みそのものからじわじわと伝わってきます

夜は、せっかくニューヨークに来たのですから、音楽ホールの殿堂カーネギーホールに行き、コンサートを聴きました。

カーネギーホールは映画等の映像で親しんでいましたが、実際に会場に行ってみると、その重厚感や重ねられた歴史に感動しました。

アールデコ調の角張った、煉瓦造りの建物。ロビーとホールは白が基調で、アーチ型の装飾が印象的です。舞台を中心に馬蹄形のようなユニークな形の客席は、2800席もあるとのこと。

この日は、イェフィム・ブロンフマンのピアノリサイタルが行われていて、ベートーヴェンのソナタが中心のプログラムでした。

音楽づくりはいたってシンプルですが、美しく柔らかい音色で、一つ一つの音が意味深く伝わってきました。当日券で購入したのはステージから一番遠い席だったのですが、そこまで届いてくる音と表現力は圧巻でした。

彼の演奏の持つ優しさが、今回のチリ〜ニューヨークの旅で触れた人々の温かさと重なっていろいろなことが思い起こされ、気がつくと涙が溢れていました。

ホールの廊下には、過去にカーネギーホールで演奏した巨匠たちのサイン入りの写真がたくさん飾ってありました。プロコフィフ、ストラヴィンスキー、マーラーといった作曲家(指揮者)、伝説的なピアニストのホロヴィッツ、同じく伝説的なヴァイオリニストのクライスラーなどとならんで、私の師匠の師匠であるハイフェッツのものもありました。

ロビーにはホールの歴史の展示があり、多くの偉人たちが訪れた場所であることもわかり、とても感慨深いものがありました。

数曲のアンコールをもってコンサートが終わると、席が近かった人々が話しかけてきました。「素晴らしい演奏だった、感動したわ」「アンコールも素敵だった。何の曲か知っている?」そうやって見ず知らずの、たまたまその場に居合わせた人とも感動をシェアすることができ、心が温まったコンサートでした。

 

ニューヨーク最後のお話はまた次回に!

8月最初のコンサートは、イスラエル商工会議所主催のパーティーでの演奏でした。英語でのトークを交え、主催者からリクエストのあった「ツィゴイネルワイゼン」をメインに名曲を演奏しました。

 

11日には山梨県勝沼で「ワインと葡萄と夜景とクラシック音楽の一日」に出演。2回の公演の間に、景色の良いテラスでのコンサートも行われました。

風で楽譜が飛びそうになるハプニングもありましたが、大変好評をいただきました。

夜の公演は内田麒麟さんの作品を中心としたプログラムで、超大作のピアノ・トリオ第1番と新作・第2番の第1楽章を世界初演しました。これから生まれる続く楽章は、9月、10月に山梨県内で演奏予定。どんな世界に触れることが出来るのか楽しみです。

26日は紀尾井町サロンホールで福原彰美さんとチャリティーコンサート。チケット代の一部は、ヴァイオリンを学ぶ福島の子供たちに貸与する楽器の購入のために当てられます。

このコンサートは、さまざまなハイテク技術とクラシックのコンサートのコラボレーションが試みられた公演でした。

ブロックチェーン技術で自分が寄付したお金が、楽器が購入されるまでオンライン上で辿ることができる。これは日本の音楽史上初めてではないかとの事です。

会場には最先端の数々の空気清浄機や殺菌機器が設置され、それをモニタリングすることによって空気の状態が数値化されました。また、カーボンオフセット証明によりCO2排出ゼロでの開催を実現したそうです。

コンサートに関わるスポンサー企業の方々からのお話を通して、環境問題のために私たち個人が取り組めることについて考えさせられました。

9月のコンサートは、まず4日に渋谷で、森本隼太さんとの共演です。

大好きな作曲家の1人であるシマノフスキを取り上げます。シマノフスキのソナタをいつか弾きたいと願い、気持ちだけをずっと温めていたのですが、昨年の森本さんとの共演を通して「この曲を森本さんと演奏したい」と感じ、満を持して初めてお披露目します。

日本では取り上げられることの多くない作品ですが、ロマンティックで情熱的な作品は生演奏でこそ魅力が伝わる曲です。是非お運びください。

 

18日は清里の森音楽堂にて、小林侑奈さんとデュオ・リサイタル。こちらはドヴォルザークやバルトーク等の東欧の旋律を取り上げます。お近くの方は是非いらしてください。

また、24日には山梨の今度は牧丘町にて、再び内田麒麟作品を取り上げます。こちらもご注目ください。

 

そして、秋に王子ホールにて福原彰美さんとデュオ・リサイタルが実現します。

芸術が花ひらき、数々の作品が実った「ベル・エポック」(=古き良き時代)をテーマに、渾身のプログラムをお届けします。

この8年、ずっと共演を続けてきたピアニストの福原さんはアメリカで長く学び、欧米で数々の巨匠と共演を重ねる素晴らしいピアニストです。

チケットの予約が開始されましたので、是非お早めにご予約くださいませ!

 

みなさまと会場でお目にかかれますことを、楽しみにしております。

 

デュオリサイタル
2022年9月4日(日) 15時開演
美竹清花さろん(渋谷)地図
共演:森本隼太(ピアノ)
モーツァルト 、プロコフィエフ 、シマノフスキ
清里の森オータムコンサート
2022年9月18日(日) 14時開演
清里の森音楽堂(山梨県)地図
共演:小林侑奈(ピアノ)
詳細はこちら
チケットご予約:0551-48-3151(清里の森管理センター)
夢遊苑 MYKトリオ
2022年9月24日(土) 14:30開演
夢遊苑(山梨県)地図
共演:内田麒麟(チェロ)、小林侑奈(ピアノ)
詳細はこちら
お問い合わせ:yamanashiongaku@gmail.com
鈴木舞&齊藤一也 DUOコンサート
2022年10月2日 14時開演
ギャラリーカフェラルゴ (JR埼京線南与野駅)地図
共演:齊藤一也
ピアソラ:ル・グランタンゴ、他
詳細はこちら
ご予約、お問い合わせ
Tel: 048-749-1721/Mail: cafe-largo@dream.jp
MYK トリオ@桃源文化会館
2022年10月29日(土)15時開演
桃源文化会館 地図
共演:内田麒麟(チェロ)、小林侑奈(ピアノ)
詳細はこちら
お問い合わせ:yamanashiongaku@gmail.com
DUOリサイタル
2022年11月9日(水) 18時開場、19時開演(18:15~プレトーク)
銀座 王子ホール 地図
共演:福原彰美
詳細はこちら
お問い合わせ:sakata@caap.jp (株式会社 CAP)
鈴木舞・齊藤一也 with 山梨交響楽団
2022年11月26日(土)14時開演
笛吹市スコレーセンター(山梨県) 地図
プロコフィエフ :ヴァイオリン協奏曲第2番
詳細はこちら
お問い合わせはこのメールにご返信ください。

2020年から「鈴木舞 後援会」が発足し、会員の募集がスタートしました。

後援会主催コンサートへの無料ご招待や懇親会へのご案内、一部コンサートの優先案内・優先予約、オーディオ付きお誕生日メールなど盛りだくさんの特典をご用意して入会をお待ちしております。  
詳細はこちらからご覧ください。

https://maiviolin.com/fanclub/

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マイ・フェイバリット ”Mai favorite”
ピアノ:實川風、山田和樹

大好きなフランス音楽の中でもお気に入りの曲を集めました。タイスの瞑想曲 などの名曲から、愛と死、そして政治をもテーマに据えたプーランクのヴァイオリン・ソナタ。銘器、アマティの音色でお楽しみください。

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