今月は、前回のニューヨーク滞在の続きからお話ししたいと思います。
カーネギーホールに続いて、今度はメトロポリタン・オペラに《蝶々夫人》を観に行きました。
イタリアの作曲家プッチーニが、長崎を舞台にしたアメリカの小説を元に作曲したオペラです。
芸者の蝶々夫人はアメリカ海軍兵のピンカートンと結婚しますが、ピンカートンはアメリカに帰ってしまいます。健気にピンカートンを信じて帰りを長崎で待っていた蝶々夫人ですが、ピンカートンはアメリカで他の女性と結婚していたことを知って絶望し、子供を残して自殺してしまう、というストーリーです。
一流のアーティストたちによる完成度の高い演奏により、どんどん物語に引き込まれ、オペラが終わった時には、悲しみで胸がいっぱいでしばらく放心状態になりました。
音楽の、人の心に訴える力の大きさを体感した舞台でした。