【旗を飾らないと罰金！？　チリの独立記念日】

ペルー・マチュピチュから南米ツアーの拠点、サンティアゴに戻ったのは9月18日。この日はチリの人々にとって重要な日です。スペインからの独立を宣言した独立記念日で、街中は躍動感に満ち、さまざまな祭りや行事が催されます。

至る場所がチリの国旗のカラー、赤、青、白で飾り付けられ、多くの人々が家族や友人と共に集まり、食べて、飲んで、踊ってのイベントを楽しみます。

街中は国旗に溢れ、全ての家や建物には大きなチリの国旗が飾られていました。

驚くべきことに、国旗の高さや角度、向きなどが厳密に決められており、それに従って道路から見えるように飾ることが求められます。飾っていない家には警察が来て罰金を取られるそう。独立記念日に国旗を飾ることは国民の義務なのです。

お肉が大好きなチリ人は、独立記念日でもアサードと呼ばれるバーベキューが多く食べられます。なんとこの期間では、通常よりもお肉の消費量が2〜3割ほど増えるそうです。

またこの日は、ほとんどの仕事が休業となります。エンターテイメントや飲食、交通機関や医療関係等は例外ですが、一般的な勤務は禁止されます。

このお祭りは春分を兼ねていて、チリ人は独立記念日を祝うと春の始まりを感じるそうです。国家の独立を祝うこの日は、国民の団結と誇り、そして春の到来を祝う、重要な祝日なのです。

チリに戻って最初のコンサートは、和食とのコラボレーションイベントでした。

チリでは日本食が大変人気があり、街では頻繁に日本食レストランを目にします。

イベントのタイトルは「Omakase」。「おまかせ」という言葉は、世界的に高級レストランの特別な料理やコースメニューを表現するために使われています。

コラボレーションしたシェフは若手チリ人のお寿司職人で、海と山に恵まれたチリの食材を生かし、独学とは思えないほど本格的な、茶碗蒸しやお刺身を含めた「おまかせ」を作ってくれました。

事前に送られてきたメニューに合わせて、ピアニストのダノールと相談しながら、一皿ごとに1曲をペアリングして、プログラムを組みました。

演奏した日本の作品達も現地の観客にも受け入れられ、新春のチリの季節感を取り入れて選曲した宮城道雄作曲の「春の海」は、「一番感動した」と感想を伝えてくださったお客様もいらっしゃいました。

大変好評につき、チリ滞在中の追加公演も決まり、全2公演を行いました。

南米での経験は、また次回に続きます。
これまでのアーカイブはこちらからお読みいただけます。

12月は多くの演奏の機会に恵まれました。

全部で20の公演と、1つのレコーディングです。

後援会主催のランチ&ディナーコンサートに始まり、大阪、兵庫、名古屋、茨城でのリサイタルやコンサートに出演。小学校で子ども達に向けた公演や、大学や病院でも演奏をお届けしました。

来日したチリの奏者達とのコンサートでは、ピアソラ等の南米のプログラムで３公演周り、わんちゃんも参加可能な公演も一部プログラムを変えて4公演行いました。

レコーディングは、會田瑞樹さんと、打楽器とのアンサンブルアレンジによるユニークな作品。来年皆様に聞いていただけることになりそうなのでご期待ください。

来月1月は、13日に赤坂ストラドホールにて、珍しい編成のヴィオラ、ピアノとのトリオで知られざる名曲の数々をお届けします。

また2月10日は、奥田恵悟指揮、東京セラフィックオーケストラと、チャイコフスキーの協奏曲を共演予定です。

是非お運びください！

今年もたくさんの方々に支えられ、心から感謝しております。

音楽は私の人生の全てと言っても過言ではなく、その音楽を演奏を通して皆様と共有することで、さらなる深みを感じることができます。

これまでに出会った数々の素晴らしい方々や、コンサートの一期一会の瞬間は、私にとって宝物です。

そしてこれらの経験は皆様の温かい応援のおかげで成り立っています。いつも私にエールを送ってくださり、心から感謝しています。

さらなる高みを目指し、皆様への感謝の気持ちを抱きながら、今後も日々精進してまいります。

今年も大変お世話になりどうもありがとうございした。

みなさまどうぞ良いお年をお迎えください。