ヴァイオリニスト 鈴木舞 ニュースレター Vol.67

【夏の日本から冬の南米へ

今、世界中から注目を集める日本は、外国人観光客の増加に歯止めがかかりません。新型コロナの規制緩和と続く円安の影響で、独特の文化を持つこの国への旅行が世界的に人気を集めています。

 

多くの海外の友人達も、春から夏にかけて日本を訪ねてきて、久しぶりの再会を楽しみました。

中には日本に来るのは初めてという人も。外国人から日本はどのように見えているのでしょうか。

友人達に話を聞いたところ、共通して言われたのは、まず人口の多い混み入った環境に馴染めるか、生活できるのか不安だった、とのこと。

しかし実際に東京に来てみると、人口密度が高いにも関わらず、秩序があり効率的に世の中が機能していて、不快感なく驚いたそうです。

例えば満員電車の乗り降りでは乗客が列を作りスムーズに行われており人々は秩序を保っています。

多くの人が行き交う道でもゴミがほとんど落ちておらず、清潔です。

また、お金や物品を受け渡す時のスピード感には高い効率性を感じたそうです。

友人を東京を案内していたところ、友人が貴重品入れを失くしてしまいました。来た道や行ったお店を引き返して探すも見つからず、祈るような気持ちで交番に電話をかけてみたところ、誰かが拾って警察署に届けてくれていたことがわかり、すぐに手元に戻ってきました。

欧米では街中で手元を離れた貴重品が見つかることはほとんどありません。その上こんなにすぐに警察が対応してくれて手元に戻ってくるなんて、と感動していました。

 

日本人一人一人が習慣的に行っている行動が、社会全体の道徳的な秩序や効率性を高めているようです。

 

コンサートでの聴衆の反応の違いも話してくれました。

欧米では演奏の後に、聴衆からのブラボーとの叫び声や興奮が飛び交います。

日本の人々はそれに比べると大人しく、最初は冷たく感じたと言います。しかしそれはのちに、あまりにも礼儀正しく、敬意を払い過ぎるだけで、コンサート自体が気に入らないわけではないのだと気づいたそうです。

 

皆それぞれ融通が利かなかったり不自由に感じたりしたこともあったそうですが、これも人々が密集して住みながら、整然として安全なこの国の利点を考えると全く受け入れられる、と話していました。

さて、今度は私が海外に渡航します。

9月から3ヶ月近くに渡り、日本を離れます。

まずは南米のチリとペルーに滞在。そしてヨーロッパのミュンヘンに移動します。コンチェルトやリサイタルが10公演以上、それからマスタークラスで後進の指導にもあたります。

ミュンヘンでは、11月5日に旧バイエルン王国の王宮内にある大変美しいホール、ヘラクレスザールにて、モーツァルトのコンチェルトをオーケストラと共演します。

ミュンヘンのコンサートは日本からの鑑賞ツアーも組まれます。一般では入れない各地の劇場の舞台裏も見学いただけるツアーです。ミュンヘンでも是非多くの方とご一緒できましたら嬉しいです。ご興味のある方はお問い合わせください。

南半球の季節は冬。一足早く夏にさよならして、久しぶりの再会や、これから出会う新しい土地や人々に胸が高まっています。

8月のコンサートは、6日に山梨の清里で、小林侑奈さんとブラームスを軸にしたプログラムでした。

茹だるような暑さの東京とは打って変わり、清里の気候は上着が必要なほど涼しく、冷房なしの生活。

ブラームスのソナタ「雨の歌」は、しっとりとした豊かな旋律で森を連想させられます。自然豊かな清里の森にピッタリなプログラムでした。

11日はピアノカフェ・ベヒシュタインにてピアニストの則行みおさんと、わんちゃんとお聴きいただけるコンサート第3回。同い年であったモーツァルトとマリーアントワネットの二人をテーマに華やかなプログラムをお届けしました。用意した2種類のフォトブースでも、わんちゃんたちの写真撮影をお楽しみいただきました。次回、第4回は12/10に予定しております!

16日は、サクソフォンとのアンサンブルで、アメリカの現代音楽を演奏しました。

現代音楽のスペシャリスト達の錚々たるメンバーと共に演奏した2曲のサクソフォンクインテットは、非常に複雑で大変な難曲で、まるで脳トレのよう。リハーサルの度に脳みそが沸騰しそうな気分になりながら、挑みました。

本番では美しいルーテル市ヶ谷教会いっぱいのお客様に見守られ、演奏者全員の集中力が爆発的に高まり、ジャズの要素が取り入れられたアメリカの現代音楽は勢いのある演奏となりました。

20日はヴィオラ奏者の杉田恵理さんとデュオのコンサートでした。

フルプログラムでは初めての編成となるヴァイオリンとヴィオラの二重奏で選曲したのは、モーツァルトとヴァイネルのデュオ。

ヴァイオリンでは一つの音を複数の弦で出すことができます。音色やフレーズを考慮してどの弦を使って演奏するか考えて指遣いを決めるのですが、今回実際に音を合わせてみると、あらかじめ考えていた指遣いがしっくりこなくて、リハーサル中にどんどん変更していきました。それくらいヴァイオリンとヴィオラのデュオは今までにない独特な響きで、一見似たように見える2つの楽器ではありますが、試行錯誤しながら音楽作りを楽しみました。

 

お越しいただいた満員のお客様からは「2挺の弦楽器とは思えないほどの迫力があった」

「まるで一人の演奏のように一体感があった」等嬉しいお言葉をいただき、今後もこの編成でのレパートリーも広げていきたいと思いました。

翌日21日からは、山梨へ。小林侑奈さんと、学生さん達が作曲した作品のレコーディングをしました。

私自身も審査に参加したコンクールで選ばれた3曲は、プロの作曲家からのアドバイスを経て微調整や変更点があり、どの楽譜からも大きな熱意が伝わってきました。

技術的に難しい部分もありましたが、作曲者達の熱意に応えようと、その場で録音を聞き返しながら、録音は深夜まで続きました。

CDとなって完成されるのが楽しみです。

次回は南米の演奏旅行の様子を書いていきたいと思います。どうぞお楽しみに!
後援会主催 舞踏、音楽、美食 コラボコンサート
2023年12月2日(土)15時開演
お食事交流会:ランチ13:00~ / ディナー17:00~
IDÉALビル 能舞台「山水」地図
共演:下地優子(ダンスアーティスト)
心に響く音楽の旅へ
2023年12月7日(木) 14時開演
大阪市中央公会堂 地図
共演:小林侑奈(ピアノ)
詳細はこちら
チケットご予約:080-3770-3576(奥野)
Concert with DOGs  
2023年12月10日(日) 第1部12:00~、第2部16:00~ 
ピアノカフェ・ベヒシュタイン(御成門)地図  
共演:則行みお(ピアノ)
わんちゃん
やお子様にもお越しいただけます。
ランチ/カフェ/ディナーコンサート
2023年12月17日(日)
共演:則行みお(ピアノ)
小型犬のみ一緒にお越しいただけます。
詳細はお待ちください。
ディナーコンサート
2023年12月22日(金)
渋谷
共演:小林侑奈(ピアノ)
詳細はお待ちください
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2020年から「鈴木舞 後援会」が発足し、会員の募集がスタートしました。

後援会主催コンサートへの無料ご招待や懇親会へのご案内、一部コンサートの優先案内・優先予約、オーディオ付きお誕生日メールなど盛りだくさんの特典をご用意して入会をお待ちしております。  
詳細はこちらからご覧ください。

https://maiviolin.com/fanclub/

鈴木舞 デビューアルバム 好評発売中!
マイ・フェイバリット ”Mai favorite”
ピアノ:實川風、山田和樹

大好きなフランス音楽の中でもお気に入りの曲を集めました。タイスの瞑想曲 などの名曲から、愛と死、そして政治をもテーマに据えたプーランクのヴァイオリン・ソナタ。銘器、アマティの音色でお楽しみください。

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