ヴァイオリニスト 鈴木舞 ニュースレター Vol.68

南米チリのLGBTQ

出国日は、よく晴れた真夏日でした。

日本では直前までレッスンや打ち合わせをしていたため、冬の目的地への服装に悩みながら徹夜で荷造りしました。

南米チリの首都、サンティアゴまではシドニー経由のフライトでしたが、羽田空港に着いてみると、シドニー/サンティアゴ間のフライトは、ニュージーランドのオークランドの経由が含まれていると告げられました。

フライトを予約した時にはそのような情報はなかったので驚きましたが、急遽その場でニュージーランドの渡航申請を済ませ、30時間にもわたる長旅に出発しました。

 

お昼過ぎにサンティアゴに到着し、雪を被った美しいアンデス山脈に迎えられました。その日はこちらもよく晴れていましたが、冷たい空気に包まれました。南半球の季節は冬で、ダウンコートを着るような気候です。

時差ぼけを解消する1番の早道は、夜まで眠気を我慢して活動し、夜にぐっすり眠ることです。

荷物を置いたらスーパーマーケットに行き、現地ならではの珍しい食材を買ったり、チリでいちばん楽しみにしていたものの一つ、アボカドを早速味わいました。

昨年初めて食べて感動した、チリの大きくてクリーミーな濃厚な味わいのアボカドは、産地でしか食べられません。旅の疲れが癒やされました。

夕方は今回のコンサートツアーの共演ピアニスト、ダノール・キンテロスさんと、彼の友人たちと食事に出かけました。

中でも興味深かった話題は、今国境を超えて議論が重ねられている、セクシャルハラスメントやLGBTQ問題、ジェンダー意識についてです。

チリでも非常にセンシティブに扱われているとのこと。

チリの公用語であるスペイン語は、主語が女性か男性かによって、名詞や形容詞の活用が変化するので、主語の性別が明確であることは文章を組み立てる上で必要不可欠です。

しかし、性別を断定することがハラスメントとなる場合もあります。そのような時にどうするのか尋ねたところ、本来スペイン語にはなかった中性的な活用が作られ使われるようになってきているそうです。

例えばスペイン語で友達は、男性名詞でamigo(アミーゴ)、女性名詞でamiga(アミーガ)と言います。性別を断定せずに話す場合は、新たに語尾をeで終わらせるamige(アミーゲ)という活用を使うことがあるようです。

時代の流れが言語をも進化させ、社会に大きな変化をもたらしています。

また、男女問わず同性夫婦で子供を育てる友人や親戚の話も自然に話題に上り、マイノリティに対する人々の理解や、彼らの人生の選択の多様性も進んでいる印象を受けました。

さて、南米ツアー最初のコンサートは、初めてのペルー、首都のリマでのリサイタルでした。

共演のチリ人のピアニスト、ダノール・キンテロスさんは、ザルツブルクのモーツァルテウム音楽大学で共に学んだ仲間で、ヨーロッパで度々共演を重ねてきました。

今回はチリで1週間しっかりリハーサルを重ね、4時間ほどのフライトを経てペルーに移動。

会場は二階席もあり1000席を超える大きなホールでした。

舞台上では音が少し散ってしまう印象を受けましたが、ほどなく慣れてきて、演奏しながら反響する音も耳で拾えるようになり、客席では素晴らしい音響を持つホールだということがわかりました。

いよいよ本番を迎えステージに上ると、会場いっぱいのお客様からの拍手から期待を肌に感じ、身が引き締まりました。

緊張感の中でコンサートが始まりましたが、一曲目のクライスラーの愛の喜びを弾き終えるとすかさずブラボーの声が聞こえ、緊張が少し和らぎました。

プログラムが一曲進むごとに拍手や歓声が大きくなっていき、観客が熱心に耳を傾けてくださっていることに胸が熱くなりました。

コンサートの最後にはスタンディングオベーションを受け、大盛況にリサイタルを終えました。

次回はペルーの高地、クスコでのコンサートについてお話しします。お楽しみに!

11月5日に、ミュンヘン旧バイエルン王国の王宮内にある大変美しいホール、ヘラクレスザールにて、モーツァルトのコンチェルトをオーケストラと共演します。

このコンサートは日本からの鑑賞ツアーが組まれ、一般では入れない欧州各地の劇場の舞台裏が見学いただけます。定員まであと数名お申し込み可能ですので、興味のある方はお問い合わせください。

後援会主催 舞踏、音楽、美食 コラボコンサート
2023年12月2日(土)15時開演
お食事交流会:ランチ13:00~ / ディナー17:00~
IDÉALビル 能舞台「山水」地図
共演:下地優子(ダンスアーティスト)、齊藤一也(ピアノ)
心に響く音楽の旅へ
2023年12月7日(木) 14時開演
大阪市中央公会堂 地図
共演:小林侑奈(ピアノ)
詳細はこちら
チケットご予約:080-3770-3576(奥野)
Concert with DOGs  
2023年12月10日(日) 第1部12:00~、第2部16:00~ 
ピアノカフェ・ベヒシュタイン(御成門)地図  
共演:則行みお(ピアノ)
わんちゃん
やお子様にもお越しいただけます。
ランチ/カフェ/ディナーコンサート
2023年12月17日(日)
共演:則行みお(ピアノ)
小型犬のみ一緒にお越しいただけます。
詳細はお待ちください。
ディナーコンサート
2023年12月22日(金)
渋谷
共演:小林侑奈(ピアノ)
詳細はお待ちください
サロン デュオ リサイタル
2023年12月27日(水) 16時開演
横浜
共演:尾崎未空(ピアノ)
詳細はお待ちください。
お問い合わせはこのメールにご返信ください。

2020年から「鈴木舞 後援会」が発足し、会員の募集がスタートしました。

後援会主催コンサートへの無料ご招待や懇親会へのご案内、一部コンサートの優先案内・優先予約、オーディオ付きお誕生日メールなど盛りだくさんの特典をご用意して入会をお待ちしております。  
詳細はこちらからご覧ください。

https://maiviolin.com/fanclub/

鈴木舞 デビューアルバム 好評発売中!
マイ・フェイバリット ”Mai favorite”
ピアノ:實川風、山田和樹

大好きなフランス音楽の中でもお気に入りの曲を集めました。タイスの瞑想曲 などの名曲から、愛と死、そして政治をもテーマに据えたプーランクのヴァイオリン・ソナタ。銘器、アマティの音色でお楽しみください。

Twitter
Email
Website
正しく表示されない場合はこちら
アーカイブはこちらをクリック

当ニュースレターは、お名刺を交換させていただきました方に配信しております。 配信先の変更・停止は、お手数ですが下記よりお手続きいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。その他コンサート等のお問い合わせは、このメールにご返信ください。


配信停止 | 登録情報更新