ヴァイオリニスト 鈴木舞 ニュースレター Vol.85

【最新アルバム「翼」いよいよリリース

『翼』このアルバムが生まれるまで

 

音楽との出会いは、人との出会い。今回のアルバムを通して、そんなことを改めて実感しました。

 

3月12日、アルバム『翼』がリリースされます。

 

 

化学反応

 

この出発点は、ピアニスト福原彰美さんとの長年にわたる共演にあります。初めて一緒に演奏したのは、若手演奏家の支援プログラムである「シャネル・ピグマリオン・デイズ」のコンサート。

 

以来、およそ10年にわたって共演を重ねてきましたが、とりわけ大きな節目となったのが、2022年秋の銀座王子ホールでのデュオリサイタルでした。メインに据えたフランクのヴァイオリン・ソナタで、演奏しながら、化学反応が起きた感覚があったのです。

 

単に「気が合う」というものではなく、楽譜を超えて会話をし、違う個性を持つお互いの音楽が刺激し合いながら、変化し、新しい響きを生んでいく。この作品を弾き終えたとき、私たちは二人で一つの音楽を創り上げることの喜びを深く感じました。

 

「今の私たちの音を記録に残したい」

 

そんな思いが芽生え、今回の録音へとつながっていきました。

「翼」の由来

 

私たちのデュオ名「Les Ailes(翼)」は、音楽専門ラジオ OTTAVA のリスナーから寄せられた案が元となりました。最初に候補に挙がったのは、ドイツ語で「羽」を意味する「Flügel(フリューゲル)」でした。素敵な響きですが、実はドイツ語では「グランドピアノ」という意味もあるのです。そこで、より音楽の広がりを感じられるフランス語の「Les Ailes」に決めました。

 

翼があるだけでは、飛ぶことはできません。それを支える「風」があってこそ、翼は高く舞い上がります。そして、その「風」とは、私たちの音楽を聴いてくださる皆様の存在そのものです。

 

演奏者だけでなく、聴き手の皆様がいてこそ、音楽は完成する。このアルバムの音楽も、皆様に届くことで翼を広げ、新たな響きを生み出していきますように。そんな願いを込めて、『翼』と名づけました。

 

作品が描く物語

 

このアルバムでは、19世紀フランス・ロマン派を代表する、深みと豊かな色彩をもつ3人の作曲家の作品を取り上げました。それぞれの曲に、私たちの想いを込めています。

 

フランクのヴァイオリン・ソナタ

カップルや夫婦のストーリーが音楽を通して語りかけてくるような作品です。出会いとときめき、衝突、孤独な内省、そして心が通じ合う喜び。循環主題という、同じ旋律が繰り返される手法で書かれており、テーマが繰り返されるたびに、新たな表情をまとい、ストーリーが深まっていきます。ヴァイオリンとピアノが本当に会話を交わしているように、「対話」と「変化」を大切に演奏しました。

 

ルクーのソナタ

24歳という若さでこの世を去ったルクーのソナタは、まるで夢を追い求めるように、あるいは言葉にできない思いを胸に抱えながら、一歩ずつ歩みを進めていくような旋律です。誰もが経験する青春の葛藤、情熱や希望を、繊細なタッチで描きました。

 

シャミナードの小品

一方で、シャミナードは「感覚で味わう音楽」です。熟成されたウィスキーのような深みを持つカプリッチョ、スペインの陽光が降り注ぐようなセレナード。遊び心を感じられる作品たちです。

息遣いを刻む

 

録音は、自分と音と向き合う作業。ともすれば完璧を求めるあまり、音楽の生命力が失われることもあります。

今回追求したのは、「今、この瞬間に生まれる音」。

音楽の対話を通してお互いの感情を高め合い、聴く人の目の前で演奏が繰り広げられるような、そんな臨場感のある録音を目指しました。

 

 

聴いてくださる皆様へ

 

このアルバムは、私たちの音楽の軌跡を刻んだ作品です。音楽は、演奏者だけのものではなく、それを聴いてくださる方々がいてこそ生きるもの。このCDの音が、皆さまの心に寄り添い、記憶を呼び起こしたり、新たな景色を思い描くきっかけになれば嬉しく思います。

 

どうか『翼』が、皆さまのもとへと羽ばたいていきますように。

 

CD『レ・ゼール~翼』 2024年3月12日リリース 

詳細・ご購入はこちら →(https://maiviolin.com/lesailes/

 

これまでのコンサートを振り返ります。

1月31日は、リニューアルオープンしたキタノホテルのレストランでのランチコンサートでした。

この日は、キャビアや茶道とのコラボレーションという特別な趣向が凝らされ、まさに優雅なひととき。

会場にはペーゼンドルファーのピアノがあり、その繊細で柔らかな響きを生かせるよう、選曲にもこだわりました。

共演ピアニストの小林侑奈さんが奏でる温かく包み込むような音色と相まって、心地よい空間が生まれたのを感じました。

山形県・鶴岡市での小学校アウトリーチコンサートでは、「おんかつ」事業として、これまで以上に自分と深く向き合い、自身の幼少期を振り返りながら、子どもたちに今一番伝えたいメッセージを音楽でどう表現するかを大切に、子どもたちに届けたいプログラムを考え抜きました。

演奏中、子どもたちのキラキラと輝く瞳がとても印象的で、純粋な感性で音楽を受け取ってくれる姿に、改めて音楽の力を実感しました。

 

2月最後のコンサートは、奈良・菊水楼での公演でした。

歴史ある趣深い空間の中で、第一部はヴァイオリン・ソロ、第二部では古事記の大和語りと舞踊、音楽のコラボレーションをお届けしました。

語りと舞、そして音楽が一体となり、壮大な神話の世界が浮かび上がるようなステージに。

時空を超えた物語が目の前で紡がれていく感覚に、演奏しながら私自身も引き込まれていきました。

今後のコンサートのご案内です。

3月8日は、ピアノカフェベヒシュタイン(御成門)にて、則行みおさんと恒例の「ワンちゃんと聴くコンサート」。

第8回を迎える今回は、シューベルトとショーソンがメインのプログラム。

会場近くの芝公園では、ちょうど梅の花が見頃を迎えます。お散歩がてら、お気軽にお運びください!

 

3月後半は小林侑奈さんとの共演が続きます。

3月20日(祝)は、横浜のイギリス館にてリサイタル。

ベートーヴェンのソナタ《春》をはじめ、春の息吹を感じる作品を中心にしたプログラムをお届けします。

洋館の趣ある空間で、春の訪れとともに響く音楽をお楽しみください。

 

3月22日・23日は、山梨へ向かいます。

22日は笛吹みんなの広場23日は山梨県立美術館のカフェにて演奏予定です。

雄大な自然に囲まれた山梨の地で、音楽とともに穏やかなひとときをお過ごしいただければと思います。

 

3月30日は、渋谷 JZ Brat にて、歌手・万里村れいさんのラストライブにゲスト出演いたします。

この特別な一夜では、ピアニストの中瀬智哉さんと初共演。

長年にわたる万里村さんの音楽人生の集大成となる心温まる歌声のステージに、心を込めて演奏をお届けしたいと思います。

 

 

みなさまと会場でお会いできるのを楽しみにしております!

Concert with DOGs  Vol.8
2025年3月8日(土) 第1部12:00~、第2部16:00~  ピアノカフェ・ベヒシュタイン(御成門)地図    共演:則行みお(ピアノ)     
わんちゃんやお子様にもお越しいただけます。

ご予約はこちら

鈴木舞&小林侑奈 デュオリサイタル ~山手の丘に春の訪れを感じて~

2025年3月20日(木祝)13:30開演(13:00開場)

横浜イギリス館 地図

共演: 小林侑奈 (ピアノ)

お申込みはこちら

お問い合わせ先:

一般社団法人ハーモニーアイ

電話/FAX: 045-811-7293

メール: harmonyaijimukyoku@gmail.com

第7回 四季彩の調べ 音楽と美食の饗宴

2025年3月22日(土) 10:00~15:00

笛吹みんなの広場(山梨県)地図

共演: 小林侑奈 (ピアノ)

お問い合わせ先:

電話番号: 080-3091-7184

メールアドレス: ongaku@esuwai.com

TRIO concert
2025年4月4日 (金) 18:30 開場 / 19:00 開演
La salle F (ラ・サールエフ)(日比谷)地図
共演:グレイ理沙(チェロ)小林侑奈(ピアノ)
前売り ¥5,000 / 当日 ¥5,500
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲 変ロ長調 op.11 「街の歌」
メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲 第1番 ニ短調 op.49、他
シューベルトの詩情 Vol.1
2025年4月12日 (土) 13:30 開場 / 14:00 開演
渋谷美竹サロン 地図
共演:川口成彦(ピアノ)
シューベルト:ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ第二番
シューベルト:ヴァイオリンソナタ、他
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2020年から「鈴木舞 後援会」が発足し、会員の募集がスタートしました。

後援会主催コンサートへの無料ご招待や懇親会へのご案内、一部コンサートの優先案内・優先予約、オーディオ付きお誕生日メールなど盛りだくさんの特典をご用意して入会をお待ちしております。  
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鈴木舞 デビューアルバム 好評発売中!
マイ・フェイバリット ”Mai favorite”
ピアノ:實川風、山田和樹

大好きなフランス音楽の中でもお気に入りの曲を集めました。タイスの瞑想曲 などの名曲から、愛と死、そして政治をもテーマに据えたプーランクのヴァイオリン・ソナタ。銘器、アマティの音色でお楽しみください。

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