幹部・役員の役割とは５ －人材を育てるとはどういうことか

　稲盛さんがよく言われていた言葉に、「人間は、もともと素晴らしい能力を持っている。問題は、それを引き出すことができるかどうか」というものがあります。

　つまり、育成とは何かを教え込むことではなく、その人自身が自ら伸びようとする気持ちに火をつけることです。

資格制度と教育制度

　企業の社会的な責任とは、単に経済的な利益を追求するだけではありません。健全な事業を営み、それを長期にわたって継続していくこと、そして、そこで働く社員一人ひとりの成長を支援し、安定した生活を守ることはもちろん、広く社会全体の進歩発展に貢献することこそが、現代企業に求められる重要な役割であると言われています。

第五条　何が正しいかを判断基準とする 

　今回は、課長が現場で真のリーダーシップを発揮するために不可欠な心得、「何が正しいかを判断基準とする」ことについて、私の経験を交えながらお伝えしたいと思います。課長の育成に携わる経営者の皆様、経営幹部の皆様にとって、必ずやご示唆に富む内容であると確信しております。