Genocelと膵島を用いた糖尿病治療の新しいアプローチ

いつもお世話になっております。
京都医療設計の紺屋本(コヤモト)です。  

今回は、Genocel®の応用研究が公開されましたので、その論文をご紹介いたします。 

      A gelatin hydrogel nonwoven fabric improves outcomes of

                                                                    subcutaneous islet transplantation

 

        Norifumi Kanai et al., Scientific Reports, Vol. 13, Article number: 11968, 2023

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 背景:

       皮下への膵島移植は、重度の糖尿病に対する有望な治療法です。   

       しかし、膵島の生着が悪いと効果が妨げられます。そこで、新規の生体吸収性

       ゼラチンハイドロゲル不織布(GHNF)が皮下膵島生着を改善できるかどうかを

       調査しました。 

  目的:

       皮下膵島移植前にGHNF(Genocel®)を移植部位へ前留置することで、膵島の

       生着を改善できるかを確認しました。

  方法:

       GHNF有無の条件下で、シリコンスペーサーを糖尿病マウスの皮下へ前留置し

       (6週間前)、シリコンスペーサーを除去後の空いたスペースに、膵島400個相当を

       移植しました。膵島移植後、血糖の測定および腹腔内ブドウ糖負荷試験にて、

       治療効果を評価しました。    

結果:
     ①GHNF は皮下膵島移植の結果を著しく改善しました。 
     ②新生血管のマーカーであるvWFに、対象群との有意差は見られませんでした。
     ③これまでの研究では、膵島移植時に膵島移植片を囲む 細胞外マトリックスが失わ
     れることが報告されており、膵島周囲の 細胞外マトリックス を補償することで膵島
     機能が実質的に改善されることが示されています。細胞外マトリックスのひとつで
     あるラミニンは、GHNF群が有意に多く検出されました。 
考察: 
     GHNFによる膵島移植結果の改善は、血管新生の促進より、むしろECM産生と
     種々の成長因子による膵島機能の保護によると考えられます。 

上記論文の続報です。

 

Ideal Duration of Pretreatment Using a Gelatin Hydrogel Nonwoven Fabric Prior to Subcutaneous Islet Transplantation

 

Ryusuke Saito  et al., Cell Transplant., 32, 1–16, 2023

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目的:
      皮下膵島移植前に、GHNF(Genocel®)を移植部位へ前留置する期間の最適化。
方法:
      上記論文と同じ方法で実施しました。変更点は以下の2点です。    
     ①前移植期間:皮下膵島移植の2、4、6、8週間前    
     ②移植する膵島の数:270個相当 (上記論文は400個相当) 結果:
     ①血糖値を経時的に測定したところ、前移植期間が6週間の群で有意に低下しました。        ②新生血管のマーカーであるvWFで染色したところ、前移植期間が6週間の群で有意
        に多く検出されました。 結論:
     GHNFの皮下への前留置期間は明らかに皮下膵島移植の結果に影響を及ぼし、6 週間
  が理想的な期間でした。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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