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Mar 2018 | Vol.10

商業不動産に特化した最新マーケット情報と、日系企業のオフィスに関するケーススタディをお届けする「リダック商業不動産通信」。

最新号は、最先端技術で世界を変革し続ける企業が集約し、イノベーション産業で活況を見せるベイエリアのオフィスマーケット事情に加え、米国でのビジネス拡大等に伴い、これまで馴染みのなかったエリアにオフィスを開設する際の手続き、及び注意点について解説致します。


北米における拠点管理・運営を行う上で、少しでも皆様のお役に立てれば幸甚です。

最新マーケット情報 | サンノゼ・サンフランシスコ
イノベーション産業で活況を見せるベイエリアのオフィス市場

米国の近年における経済成長を支えてきた産業の中心地であり、商業不動産市場も活気あふれるカリフォルニア州サンフランシスコ市・サンノゼ市周辺のベイエリアは、ハイテクおよびライフサイエンス(生命科学)といった、最先端技術で世界を変革してきた「イノベーション産業」が活況を呈しています。世界屈指の有名大学が集まるベイエリアでは、優秀な人材を確保しやすい環境にあることもイノベーションブームを支えています。次々に開発される新しい技術やサービスが新しい雇用を生み出しており、ひいては商業不動産市場にも多大な影響を及ぼしています。

ニューヨークやボストンを抑え、全米一のハイテク産業の集積地として名を馳せてるベイエリア。アップルやグーグル、フェイスブック、ツイッターなど世界を代表するハイテク企業の本社が多数あります。ハイテク産業はますます拡大を続けており、サンフランシスコ市内だけでもハイテク関連雇用が過去2年間で39.4%増加しました。国内のみならず世界各国からハイテク関係の技術者が集まっています。急速な増員に対応するためにオフィスを拡張したり、5万平方フィートを越える大型オフィススペースの需要が高まったりと、商業不動産市場も活気づいています。

また、ライフサイエンス産業の拡大も、商業不動産市場が活気付いている大きな要因となっています。ライフサイエンス研究でトップクラスの実績を有するスタンフォード大学のほか、カリフォルニア大学バークレー校やサンフランシスコ校が目と鼻の先にあり、優秀な人材を確保しようとロシュ・ダイアグノスティックス、ノバルティス、バイヤーヘルスケア、メルクなどライフサイエンス最大手がベイエリアに拠点を構えています。ベイエリアでのライフサイエンス関連産業の雇用は昨年より6.5%増加、220万平方フィートに上る研究施設が現在建設中となっています。

こうした「イノベーション産業」による拡大を受けて、オフィススペースの供給が需要に追いついていない状況が深刻化しつつあります。大型オフィススペースの開発は毎年、計87万5000平方フィートまでという市内の制限があることも供給不足を助長しています。現時点でPier 70やMission Rockといった大型案件がすでに承認されていますが、開発スペースが上記の限度を超えた場合、他の案件は来年に繰越となります。

こうした供給不足の中、高まる需要に相まってオフィス賃料も上昇傾向にあります。サンフランシスコ市内のAクラスの高層ビルは特に賃料も割高で、ニューヨーク、ワシントンDCに次ぐ、1平方フィート当たり$76.11(年平均)に上ります。

(画像のクリックで拡大表示)

既存マーケットでオフィス賃料が高騰する中、最近注目を集めているのがベイエリアの東側に位置するイーストベイ(East Bay)と呼ばれるエリアです。イーストベイを代表する都市オークランドでは、Aクラスの高層ビルのオフィス賃料が1平方フィート当たり$54(年平均)と割安なのが大きな特徴です。また、近年ベイエリアの各地をつなぐ高速鉄道BARTの開発でサンフランシスコやシリコンバレー、国際空港までのアクセスが便利になったため、イーストベイ人気に拍車がかかっています。カリフォルニア大学バークレー校から近く、若くて優秀な人材が豊富な点も注目されている理由となっています。そのため、イーストベイではオフィス需要が年々と高まっており、過去12ヶ月のオフィス賃料の上昇率(2017年第4四半期)がベイエリアの中で最も高かったにもかかわらず、まだまだ割安なので熱い視線を注がれています。

また、こうしたハイテクやライフサイエンス関連企業に勤める多くのミレニアル世代は、エンターテイメントを兼ね備えた次世代複合施設を好む傾向にあり、そうした施設の建設が各地で進められています。

「イノベーション産業」の拡大を中心に、経済活動のみならずライフスタイルでも最先端を行くベイエリア。多くの人が魅了され、国内外から移住する人が絶えません。研究施設やオフィスのみならず、お洒落なお店や飲食店、そしてエンターテイメントを兼ね備えた複合施設が軒を並べていますが、商業不動産の需要はますます高まっており、ブームはまだまだ続くものと見られています。

CREアドバイザリーサービス
米国内地方都市でオフィスを設立するには

近年、米国内でのビジネス拡大を狙い、日系企業による米系企業の買収や、新工場建設といった積極的な理由から、これまで馴染みのなかったエリアに拠点を構える日系企業が増えています。弊社でもこのようなエリアでのオフィス設立のご相談を受ける機会が増えてきました。

アメリカでは、州毎に不動産ライセンスが異なりますが、もしその州での不動産ライセンスを弊社が保有していない場合でも、全く問題ありません。この場合、弊社と共にテナント側ブローカーとして、日系企業のオフィス設立をサポートする地元ブローカーを選定することから始めます。そのエリアのオフィスマーケットに精通し、経験豊富な地元ブローカー候補をリサーチし、面談した上で地元ブローカー1社を選び、弊社とCo-Brokerage契約を締結します。

Co-Brokerage契約締結後は、エリア、面積などの希望条件に合致する候補物件を地元ブローカーと共にリサーチし、実際に現地に飛び、日系企業の担当者と共に候補物件の内見を実施します。内見後に物件候補を2~3物件へと絞り込み、オーナー側との書面による条件交渉へと移ります。

勿論、オフィス設立を成功に導くためには、商業不動産ブローカーだけでは不十分です。例えば、以下のような専門家・業者が必要になります。

弁護士:
賃貸借契約書のリーガルチェック・文言調整を行います。そのエリアでのオフィスの賃貸借契約書の交渉に経験豊富な弁護士を雇用することが重要です。

設計業者:
希望のレイアウトがスペース内で成り立つかの検証や、工事図面の作成、市への工事申請を担います。そのエリアにおける建築法規や、選んだビルの機械システム等に精通する設計士を選ぶことが重要です。

施工業者:
設計図面を基に内装工事を実施します。選択したビルで内装工事経験があると、より安心です。

施工管理業者:
施工業者選定のための入札や、工事期間中のスケジュール管理、各業者間の調整等をテナントに代わって担います。

IT関連業者、データ・ボイスケーブリング業者:
スペース内の電源・データの追加、ITシステムの構築、またオフィス内におけるデータ・ボイスケーブリングの配線工事を担います。

オフィス家具業者:
オフィス家具の選定・納品・組み立てを行います。発注から納品までのリードタイムを計算し、契約交渉と同時並行でオフィス家具を選定し、入居のタイミングに間に合うように発注することが重要です。

当てのない中、有能な専門家・業者を一から探すのは非常に大変です。また、多くの日系企業が拠点を構えるニューヨークやロサンゼルスといった大都市と異なり、各専門家・業者とのやり取りは英語になることが通常です。プロジェクトが滞りなく進むよう、地元ブローカーの推薦を基に、各専門家・業者候補2~3社をピックアップし、比較検討しながら最適な専門家・業者と契約します。

面積によって異なりますが、オフィス設立には、地元ブローカー候補のリサーチ段階から実際に入居出来るまで、6~8ヶ月程度掛かることが一般的です。馴染みのないエリアでのオフィス設立を成功に導く第一歩として、先ずは弊社の商業不動産担当者までお気軽にご相談下さい。

 
お知らせ
商業不動産ホームページ 日本語版・英語版
リダック商業不動産のホームページ(日本語版・英語版)には、オフィス賃貸プロジェクトの一連の流れや、米国で日系企業が直面しがちな問題に関するケーススタディとそのソリューションなど、日系企業にとって有益な情報を数多く掲載しております。是非一度ご覧下さい。
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