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Oct 2018 | Vol.12

商業不動産に特化した最新マーケット情報と、日系企業のオフィスに関するケーススタディをお届けする「リダック商業不動産通信」。

最新号は、アマゾン第2本社の誘致合戦に名乗りを上げているニュージャージー州ニューアークのオフィス市場と、最近相談が増えているオフィスの契約期間中の改装工事のポイントについて解説致します。


北米における拠点管理・運営を行う上で、少しでも皆様のお役に立てれば幸甚です。

最新マーケット情報 | ニュージャージー
アマゾン第2本社の誘致に期待が掛かるニューアーク

ニュージャージー州最大の都市であるニューアーク。ニューヨーク市からわずか十数キロメートルしか離れていない同市は、港や空港を要とした交通の要所となっていることで有名です。

そんなニューアークは、シアトルに本社を置くインターネット通販最大手アマゾン・コムの第2本社候補地の一つに選ばれたことで注目を集めています。同社は昨年、第2本社建設計画を打ち出し、世界各都市から候補都市を募りました。カナダやメキシコを含めた北米の自治体から238に上る誘致がありましたが、今年1月、候補地が20都市に絞り込まれました。同社は10~15年間で約50億ドルの投資と5万人の雇用を掲げているだけに、どの都市も誘致に躍起になっています。

 

候補地には、人工知能(AI)の開発が盛んなトロント(カナダ)のほか、ビジネスや交通の要所となっているニューヨークやロサンゼルス、アトランタ、ボストンなどの大都市が名を連ねる中、70億ドルの州税、市税の控除を掲げるニューアークもその一つに選ばれました。

ただ、ニューアークの足元の経済状況を見ると、失業率は6.3%(今年5月)と、ニュージャージー州や全米平均のそれを約2%上回り、人口の3分の1は貧困ライン以下で生活をしており、治安面の不安も抱えています。熟練労働者を雇用する予定のアマゾンが第2本社をニューアークに構えるとなると、他の候補地に比べて最もその恩恵を受けるだろうと期待されています。

 

また、第2本社もシアトル本社とほぼ同じ約800万平方フィートに上るキャンパスが建設される予定なので、オフィス市場にも大きな影響を及ぼすだろうと見られています。ニューアークにおける2018年第3四半期のオフィス賃料は1平方フィート当たり$28.61と、候補都市の募集前の2017年第2四半期の$27.30から4.8%上昇。近場のハドソン・フロント($35.86)と比べるとまだ安価ですが、第2本社の誕生を引き金に、テックブームに乗ろうとニューアークにオフィスを構える他のIT企業も出てくる可能性もあり、オフィスの賃貸市場が大幅に活性化すると期待されています。

今年末までに決定される第2本社新設地。目が離せません!

(画像のクリックで拡大表示)
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契約期間中の改装工事(Alteration)

昨今の働き方改革の一環で、オフィス環境の生産性への影響がより重要視されるようになってきました。そうした中、移転時のみならず契約期間中の改装工事についてご相談が増えてきております。

 

そこで今回は、一般的なオフィスの賃貸契約上の改装工事に関するポイントを紹介いたします。

オーナーの工事内容の承認:

例外(一定額以下で、且つ装飾を中心とした改装工事など)を除いて、必ずオーナーへの事前申請と承認が必要と決められています。また、工事内容によっては申請時に図面等を提出する義務があり、オーナーの承認に加えて、建築局への申請と許可を得なければなりません。


原状復帰義務の確認:

オーナーへの工事申請時に併せて、申請した工事箇所を退去時に元に戻す(原状復帰)必要があるかオーナーが判断し書面に残すと決められています。原状復帰義務があると退去時のテナントの手間と出費につながるため、もし契約書に記載されていなくても、工事申請時に原状復帰しないで済むようにオーナーに交渉し、書面に残すことをお勧めします。


オーナーの費用を負担:

テナントが提出した改装工事の設計・申請図面等をオーナーがレビューする費用はテナントが負担すると決められています。殆どのオーナーは図面等のレビューは外部委託しており、テナント都合での改装工事はそうした費用もテナントの負担とされています。


オーナーの指定業者へ委託:

オーナーの指定業者、もしくは審査に通った業者のみ施工できる規則になっているのが通例です。また、大都市の比較的規模の大きいビルでは、ユニオン(労働組合)加盟業者のみ施工可能としているビルオーナー(=賃貸契約)も多く見られます。米国では工事業者によって、もしくはユニオンかノンユニオンかによって工事費も大きく変わってきます。

これらはあくまで代表的な賃貸契約書の改装工事に関する条件で、実際にはより細かく多岐にわたる取り決めがされているのが実情です。改装を検討する早い段階で契約書を確認されることをお勧め致します。

 

また、契約期間中の改装工事費については、稀にオーナーが一定の工事費を提供する賃貸契約がありますが、殆どのケースではテナントが費用を全額負担するのが実情です。ただ、諦める必要はありません、お客様の契約状況によっては、交渉次第でオーナーに工事費を負担してもらうことも可能です。

 

この様に単にレイアウト変更と言っても、改装工事に関する契約条件や商慣習を踏まえて進めることが重要ですが、契約時に関わっていない駐在員の方が契約条件を自力で確認されるのは時間も手間も掛かり大変です。弊社では、弊社で仲介させて頂いたお客様はもちろん、そうでないお客様にも賃貸契約の内容に沿ってスムーズにプロジェクトが進められる様、契約書のレビューを含め、改装工事のサポートをさせて頂いております。

 
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