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Oct 2019 | Vol.16

商業不動産に特化した最新マーケット情報と、日系企業のオフィスに関するケーススタディをお届けする「リダック商業不動産通信」。

最新号は、オンライン・ショッピングが普及するなか、満を持してオープンする東海岸最大級の複合商業施設アメリカン・ドリームについてと、前回に引き続き、オフィスの内装工事のコストの抑え方について解説致します。


北米における拠点管理・運営を行う上で、少しでも皆様のお役に立てれば幸甚です。

最新マーケット情報 | ニュージャージー
まもなくオープンする「アメリカン・ドリーム」
東海岸最大級のモール、55%が娯楽、45%が小売が成功のカギ?

ニュージャージーのメットライフスタジアム近郊に建設中の大型モール「アメリカン・ドリーム」がようやく開業と、話題を集めています。300万平方の広さを持つ同施設はショッピングモール、レストラン、映画館、屋内プール、スキー、遊園地などを兼ね備えた東海岸最大級の複合施設です。ネットショッピングが急成長を遂げる中、同施設が成功を収めるかに注目が集まっています。

開発したのは、ミネアポリス郊外にある全米最大級のモール・オブ・アメリカ、カナダのウェスト・エドモントン・モールなどを手がけたトリプル・ファイブ社。ネットショッピングが普及する中、全米で1300もあるショッピングモールのうち1000件は今後20年で閉鎖に追いやられるという見方もあり、同施設の建設はギャンブルだという見方もあります。反対に、同施設のように「55%が娯楽、45%が小売」という比率が成功に導くカギだ、と分析する専門家もいます。

 

マンハッタンから5マイルの位置にある同施設は、3万3000台の駐車場を完備するほか、バスや電車、フェリーと交通手段が充実。一日の来場客目標を11万人と掲げ、娯楽施設で遊んだり100店舗を超える飲食店でくつろいだりするついでに、350店舗を構えるショッピングモールに立ち寄ってもらうことを狙っています。フロリダのウォルト・ディズニー・ワールドの来場者数(14万2000人/日)やニューヨーク市を訪れる観光客数(17万8000人/日)と比べると、この目標がどれだけ大きいかが分かります。

小売スペースは、今年8月初めの時点で85%がすでにリース済みとなりました。主要テナントである高級百貨店チェーンのサックス・フィフス・アベニューは2階建て(12万平方フィート)で展開する予定。ランジェリー大手のビクトリアズ・シークレットやカジュアル衣料品大手のユニクロ、化粧品大手のセフォラなど、その他の小売店の1平方フィート当たりの年間賃料は$100~500と言われており、他のモールよりも強気に設定されています。百貨店大手のニーマンマルカスやブルーミングデール、ノードストロームを構えるルーズベルト・フィールド・モール(ニューヨーク州)の賃貸価格は同賃料で$50~200になります。トリプル・ファイブ社は小売店からの賃貸収入として1億1700百万ドルを見込んでいます。

10月末の遊園地およびスケートリンクのオープンを皮切りに、11月は屋内プール、12月はスキー場がオープンする予定です。レストランやショッピングエリアは来年3月に持ち越しとなりました。新たな観光スポットになりえるか、また、ネットショッピングに対抗する新しいモールの形として成果をあげられるか、注目が集まっています。

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テナント工事とオーナー工事 Vol.2

オーナーが内装工事費用の負担をするのは新規移転の場合のみ、と考えているテナントが多くいらっしゃいますが、更新時も同様にオーナーが内装工事費用を負担、もしくはオーナーの費用負担で設計・施工する様に交渉することが可能です。契約期限が近づいている時期に増員等があった場合、レイアウト変更や工事をいつするのが最適かを検討するとよいでしょう。

契約交渉の時期まで工事を延期できる場合は、レイアウト変更/工事にかかるコストを削減することが交渉次第で可能になります。反対に、現在の内装やレイアウトのままで、契約更新期間もカバーできる場合は、オーナーに工事費用の負担を希望しないほうが、賃料の値下げやフリーレント(賃料無料期間)をより多く獲得する交渉がしやすくなります。

ただ、オーナーは賃料、フリーレント、内装工事費用のトータルで条件交渉してきますので、オーナー側に内装工事費を負担してもらうことが必ずしも全体でのコストメリットが高くなるわけではない為注意が必要です。 

 
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