こんにちは!
Sygnite Tokyoの小林です。
円相場が6年ぶりに下落し、対米ドルは120円代に突入しました。
ガソリンも近年見たことのない金額で目が飛び出てしまいます。
輸出入に関係するお仕事の方たちは、とりわけ状況の不安定さをダイレクトに
感じておられると思います。
かくいうSygniteも海外との仕事が少なくありません。
相場がどうあれ、ビジネスは止まらないとするならば、より良い交渉をすることを
心がけて、相場以上のダメージを負わないようにしたいものです。
さて、今日は海外とのライセンス取引において、あまり知られていない点や不利な交渉にならないようにする取り組みについてお伝えしていきたいと思います。
「海外とのやり取りは、すべてが交渉だ」というのはよく聞くことだと思いますが、
思い浮かべるシチュエーションは「価格交渉」や「企画交渉」というようなピンポイントのステージについてではないでしょうか。
実際のところは「そこに結び付いちゃう?」ということが多く、「全編交渉」というスタンスで臨まないと知らずと不利な状況に陥ってしまうことがあります。
例えば、契約締結に時間がかかることに業を煮やした権利元が「提示した金額は年内有効だが、契約が翌年になるなら金額も上げる」と言ってプレッシャーをかけてくる、
または、制作物の承認を急がないと入稿に間に合わない!というこちらの状況を利用し、「懸案事項が解決しないと監修にまわせない」などはよく使われる手です。
これが<ブラフではなく本当に起きる>という、空気を読まない感は日本ではなかなか
経験しないことだと思います。
しかし、これは悪い相手にあたったということではなく「交渉とはそういうもの」と
感じるようになりました。
肝が据わってきたのは事実ですが、できれば避けたい事態であるのも事実です。
その為には、常に権利元へのお願い事とこちらが預かっている検討事項のバランス、
時間的な制約と落としどころを見据え、案件を俯瞰しながら交渉に臨むことがポイントに
なってきます。

そこで私たちは、全体を見通せるように状況や事情をシェア頂くことを重視します。
そうすれば、契約締結に時間を要しそうな場合は、制作物の承認を同じタイミングにあてないようにする、などの対策を講じることができます。
俯瞰で見ることができれば、不利な立場で行われる交渉は確実に減ると思います。
ここは全力でご協力をお願いしたいところです。
Sygniteにお問い合わせいただく際は、なにとぞ宜しくお願いいたします!
さて最後は、日本では馴染みのない点をいくつかご紹介して終わりたいと思います。
1)MFN条件:
最近日本は、ロシアへの追加の経済制裁として貿易上の優遇措置を保障する「最恵国
待遇」を撤回すると表明しましたが、この「最恵国=most favored nation」から来て
おり、例えば、同企画内で複数の偉人を起用する企画などの場合、Aさんから「30万
ドルでMFN条件」と言われれば、起用されるBさんの提示額の方が高かった場合、
Aさんも同額に合わせる、というルールで結構ポピュラーです。
2)PR使用等:
純粋な広告以外にも、専門誌での掲載やプレスリリースなどの実施、広告賞への
出品などは許可を得ていない場合実施できません。
交渉時に忘れないようにお伝えください。
3)アーカイブ使用:
契約期間は1クールのみなのに、ホームページでは1年間広告実績として掲載する
ということを伝えていない場合、1クールで取り下げる必要があります。
ちなみに海外では、永年使用という発想は基本的にはありません。
本日は、この辺で。
また次回をお楽しみに。
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