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ただの「ぶりの照り焼き」ならふーんで終わっても、あの芥川龍之介が愛したレシピと言われると、ワクワクして食べたくなりますよね。
これは、がん治療で名高い東京都立駒込病院(東京都文京区)の病院食のひとつです。駒込病院の栄養科のスタッフたちが再現した「文芸家たちの食事」です。夏目漱石や宮沢賢治らのものもあります。近くの「田端文士村記念館」を訪れ、研究・再現しました。
駒込病院ではほかにも、患者の声に耳を傾けながら栄養士、看護師、医師が連携して、治療中の方が食べやすくなるよう心がけています。プラスチックの器を陶器に変えるだけでも違うそうです。「包丁を使わずに作れる」といった簡単アイデアレシピをネットで公開してもいます。「ジャンクフードはダメ」など自分に厳しすぎないことも大切だそうです。
写真家でサバイバーの木口マリさんが、そんな駒込病院の栄養科長の竹内理恵さんらにお話を伺いました。サバイバーにとって「食べる」ことって何だろう? 栄養士の力とは? 木口さんならではの目線で、優しく浮かび上がってきます。