メールマガジン第40号

 

2度のがんを乗り越えて ~MDアンダーソンがんセンターの上野直人先生に垣添が聞きました~

 いつもご愛読いただきまして、どうもありがとうございます。隔週の木曜日にお届けしています。

 

 12月8日放送のNHKBS「医師の闘病から読み解く がんを生きる新常識2」をご覧になりましたか?

 がんを経験した医師たちが6人登場して、司会の坂上忍さんらを交えてリアルに語っていました。
 その一人が上野直人先生です。米国きってのがん医療機関「テキサス大学MDアンダーソンがんセンター」の腫瘍内科医で、『一流患者と三流患者』(朝日新書)などの著書があります。よき医療を引き出すには患者力をアップすることが大切だと、日頃から説いています( がんアドボケートセミナーでもおなじみです)。

 そんな上野先生でさえ、自らの治療中は「三流患者になってしまった」そうです。上野さんがなったがんは、10年前の左太ももの肉腫と、4年前のMDS(血液のがんの一種)。とくにMDSは貧血なども進み悩ましく、ネットでサプリなどを検索しました。ギリギリのところで踏みとどまったそうですが……。完治には骨髄移植、しかし死亡率30%。最終的に下した決断は?

 同じ番組に出演した、大腸がん、腎臓がんのサバイバーである日本対がん協会会長・垣添忠生との対談は、深い話になりました。

 
第2の患者と言われる家族。第1の心得は? ~がん相談ホットラインより~

「起きてきたら電話を切ります。それまで話を聴いてください」

 夫の眠った隙をみて電話をかけてきた奥さんがいます。家族は「第2の患者」と言われます。ここ数年、ずっと続く治療に二人三脚で向き合ってきました。

 一緒に情報を探し、入院中は毎日病院に行き、通院時も付き添いを欠かさない。栄養学の本をたくさん読み、バランスのいい食事を作る。疲れても弱音を吐かない。食事に誘われても、「自分だけ楽しむのは申し訳ない」と断ったそうです。しかし、もう限界。

 よくあるケースです。ホットラインのアドバイスは明快です。 こちらをご覧ください。

ランキング 今年もっとも検索された患者会は?

 がんサバイバー・クラブのサイトには現在、358の患者会・患者支援団体を掲載しています。連絡先だけでなく、各団体から送っていただいた活動状況もお届けしています。

 この1年間でどんな団体へのアクセスが多かったのか、ランキングにしてみました。がん種や地域に基づくため、人気俳優のランキングとは趣を異にしますが、ご参考になればと思います。 さて第1位は……。

「がんと就労」電話相談を承っています

 がんをめぐるホットなテーマのひとつが「就労」です。がんと診断されてから長く生きる方が増えてきました。一方で、がんと告げられた人の3人に1人が離職しているという調査結果があります。しかし、生活の質(QOL)の維持、治療費などを考えると、あわてて辞めることはありません。

 すでに退職した方も含めて、社会保険労務士の近藤明美先生が無料で電話相談を承ります。現在、12/26(水)午前、1/12(土)午後、1/30(水)の相談を受付中です。詳細は こちらまで。

編集後記

 

 上野先生が出演された番組は、私も見ました。垣添が「全国縦断 がんサバイバー支援ウォーク」のいでたちで出演。「がん=死」のイメージを変えよう、と強調していました。がんはむろん、大変な病気ですが、さまざまな向き合い方があります。世間のイメージが変われば、就労も含めて、がんサバイバーが置かれる環境も徐々によくなることでしょう。がんサバイバー・クラブも、「今日より素敵な明日」に向けて活動を展開します。

 

 番組では、ウォークのシーンも映りました。来年2月には、ウォークの記録が朝日新聞出版から単行本として発売予定です。詳細は今後もお伝えしていきます。

 

 列島が一気に寒くなりましたね。どうぞご自愛なさってください。

 

 

 

2018年12月13日

 

がんサバイバー・クラブ メルマガ編集委員 中村智志

 

 

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