メールマガジン第46号

 外見ケア外来ができること 木口マリさんが東大病院の分田貴子医師に伺いました

 いつもご愛読いただきまして、どうもありがとうございます。隔週の木曜日にお届けしています。

 

 東京大学医学部附属病院に「カバーメイク・外見ケア外来」があります。

 立ち上げたのは、乳腺・内分泌外科の医師で、がん相談支援センター副センター長の分田貴子(わけだたかこ)先生。

 

「治療なんだから、患者さんも困っていない」

 ある治療でひどい跡が体に残ってしまった患者さんを目の当たりにした分田先生が、周囲の医師に問いかけたときに返ってきた言葉だそうです。

 

「本当に、そうだろうか」

 そんな疑問が原点でした。インタビュー調査をすると、「跡が無いに越したことはない」「半袖が着られない」「温泉に入りたいけど入れない」といった声が集まりました。

 

 分田先生は、カバーメイクの研究を始めます。渡英して研修を受け、さらに発展させ、日本のメーカーと協力して製品開発につなげました。2018年度には、日本対がん協会のリレー・フォー・ライフ・ジャパンへの寄付をもとにした助成金も受けました。

 外来で診療を開始したとき、最初に受診したのは、手術の傷跡のあるサンバダンサーの女性。「もう一度、カーニバルに出たい」との思いがあり、再び踊れるようになりました。

 

 緩和ケアが寿命を延ばすことは知られています。いま、分田先生は、外見ケアで元気が出ることが寿命を延ばすことを研究したいそうです。

 笑いは免疫力をアップするという研究があります。エビデンスがあれば、外見ケアが医療の一環になる時代が来るかもしれません。

分田貴子先生(右)と木口マリさん
 
サバイバーネットを使って、患者会の運営を体験してみませんか 
~第9回サバイバーカフェのご案内

 4月4日(木)、日本対がん協会の会議室で、第9回サバイバーカフェを開催します。

 今回のテーマは「サバイバーネットを使って患者会の運営を体験する」。サバイバーネットは、がんサバイバー・クラブが計画中の無料登録制のオンラインコミュニティー(SNS)です。

 

 昨年11月の「第7回サバイバーカフェ」で、15人の方にデモ版を体験していただき、貴重なご意見を伺いました。今回は、それらを反映した試用版で、患者会の運営を体験していただきます。何かしたいけれども何から始めたらよいかわからない方、会を立ち上げたけれどもPRや発展させる難しさを感じている方、などにおすすめです。

  お申し込み・詳細はこちらまで。

患者の声で、医療者の力を生かそう ~がん相談ホットラインより~

「チーム医療」という言葉をご存じの方は少なくないでしょう。

 日本対がん協会のがん相談ホットラインでも、「チーム医療をしている病院で治療を受けたい」といった相談が増えてきたことを感じています。

 しかし、「チームのサポートを受けている実感が持てない」という声も少なくないようです。どうしたら、チーム医療を活用できるのか?  詳しくはこちらです。

 
 
がんと歩み、がんを語る ~ネクストリボン2019 第2部レポート~
左から向井亜紀さん、古村比呂さん、矢方美紀さん、木山裕策さん


 2月4日の世界対がんデーに開かれた ネクストリボン第2部では、女優の古村比呂さんら6人ががん体験を語りました。うち3人には、サバイバーでもあるタレントの向井亜紀さんが聞き手となりました。

 

 ユーモアあり、心を打つエピソードあり、思いを込めた熱唱あり。古村さんが「抗がん剤治療がお休みになります」とうれしい報告をしました。また、元SKE48の矢方美紀さんの健気とも言える姿に、母親世代の向井亜紀さんが涙ぐむ場面もありました。

 がんを機会に新たな人生が始まる可能性も感じさせた140分を こちらに採録しました。 第1部の採録も合わせてご覧ください。

 
 
無料就労相談、こちらまで

 がんサバイバー・クラブでは、近藤明美先生(特定社会保険労務士・キャリアコンサルタント)による無料の就労相談を承っています。1人40分の電話相談(予約制)です。職場への伝え方や利用できる制度などについて、ご相談を受けます。

 

 現在、3月29日(金)午前、4月13日(土)午前、4月24日(水)午後のご予約を、電話03-3541-7835(10:00~17:00)で受け付けています。 詳細はこちらまで。

 

 
たくさんのご応募ありがとうございました!

 日本対がん協会会長の垣添忠生の著者サイン本 『「Dr.カキゾエ黄門」漫遊記 がんと向き合って50年』(朝日新聞出版)のメルマガ読者プレゼントには、たくさんの方にご応募いただきました。

 

 どうもありがとうございました。残念ながら当選されなかった方にも、粗品を送らせていただきます。サイトやメルマガへの 熱い感想やご要望もいただきました。感謝の気持ちを込めて、プライバシーを伏せてご紹介させていただきました。
 
編集後記

 

 今年も3月11日を迎えました。午後2時46分、1分間の黙祷を捧げました。宣伝めいて恐縮ですが、自殺対策に取り組む人の評伝『命のまもりびと』(新潮文庫)の取材で、主に岩手県の被災地を繰り返し訪ねました。

 

 一口に被災者といっても、置かれた状況はさまざまです。そんな中で耳にしたのは、「支える人を支えることが大切だ」という言葉でした。支える人は、いつの間にか多くの負担を抱えてしまいます。でも、支える人が倒れてしまえば、支えられる人にも影響します。

 

 どこか、がんにも通じますね。いつかは来るとわかっていながら考えないようにしている人が多い点でも、震災とがんには共通するところがあると思います。

 犠牲になった方々のご冥福をお祈りいたします。



2019年3月14日

がんサバイバー・クラブ メルマガ編集委員 中村智志

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