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新シリーズ「みんなのがん手帖」に登場いただいた斎田聖子(しょうこ)さん(1978年生まれ)は、3年前に大腸がんの告知を受けました。夫の真人さんは夜勤もある仕事で、聖子さんは神奈川県の港町にある実家に戻りました。
ネット情報で肉類を控えようとする聖子さんに、お母さんは肉、魚、野菜をバランスよく取り入れた料理を作ります。そして、情報源が大切という新聞記事を渡します。聖子さんも以後、国立がん研究センターの「がん情報サービス」を見るようになりました。
手術や抗がん剤治療で困ったのは、お腹が張ったり便秘をしたりすること。毎日書き続けた療養手帳にも「ガスが多くてつらい」といったメモが増えました。
そんな中で、試行錯誤しながら食生活を工夫していきます。クルミなどのナッツ類で便通がよくなるとわかれば、毎夕、欠かしません。食欲がない日は、鍋のスープと野菜で栄養は摂ります。舌がしびれてダメだったソフトクリームが食べられたときはうれしくなりました。真人さんがこまめに撮った食事の写真は、快復の軌跡でもあります。
何より支えられたのは両親、真人さん、妹夫婦、愛犬が集まる食卓。リラックスして食べる食事の時間そのものが、聖子さんの栄養になったようです。