メールマガジン第50号

食事の時間そのものが栄養に  ~「みんなのがん手帖」より~

 いつもご愛読いただきまして、どうもありがとうございます。隔週の木曜日にお届けしています。

 

 新シリーズ「みんなのがん手帖」に登場いただいた斎田聖子(しょうこ)さん(1978年生まれ)は、3年前に大腸がんの告知を受けました。夫の真人さんは夜勤もある仕事で、聖子さんは神奈川県の港町にある実家に戻りました。

 

 ネット情報で肉類を控えようとする聖子さんに、お母さんは肉、魚、野菜をバランスよく取り入れた料理を作ります。そして、情報源が大切という新聞記事を渡します。聖子さんも以後、国立がん研究センターの「がん情報サービス」を見るようになりました。

 手術や抗がん剤治療で困ったのは、お腹が張ったり便秘をしたりすること。毎日書き続けた療養手帳にも「ガスが多くてつらい」といったメモが増えました。

 

 そんな中で、試行錯誤しながら食生活を工夫していきます。クルミなどのナッツ類で便通がよくなるとわかれば、毎夕、欠かしません。食欲がない日は、鍋のスープと野菜で栄養は摂ります。舌がしびれてダメだったソフトクリームが食べられたときはうれしくなりました。真人さんがこまめに撮った食事の写真は、快復の軌跡でもあります。

 

 何より支えられたのは両親、真人さん、妹夫婦、愛犬が集まる食卓。リラックスして食べる食事の時間そのものが、聖子さんの栄養になったようです。

 
セックスの悩みにどう対処する? ~がん相談ホットラインより~

 日本人は性について語るのが苦手。その状況は、学校での性教育からがんサバイバーの性生活にまで共通しています。

 日本対がん協会のがん相談ホットラインに電話をかけてくる方も、「えーと……セックスしても大丈夫ですか? こんなこと先生に聞けなくて……」とためらいがちです。セックスでがんが感染したり悪化したりしないのか。大事なのに、聞きづらい。

 相談員はしっかり耳を傾けて、医療者へ切り出すときのコツもお伝えします。こちらからどうぞ。

 
「寄り添う」メッセージが続々 ~ジャパンキャンサーサバイバーズデイ2019~

 がんサバイバー・クラブが6月2日に東京・築地で開くジャパンキャンサーサバイバーズデイ2019(まだ間に合います! お申し込みはこちら)。

 参加される方たちに「寄り添う」をテーマにメッセージやエピソードを募集したところ、続々届きました。

 

「幼稚園児だった娘が、ベッドの横のパイプ椅子に座り、ずっと手を握ってくれました。あの光景は忘れられません」(女性・悪性リンパ腫経験者)


「数年前がんで亡くなった娘が今も私の支えです。その生き方が心に残り忘れられません。腎臓がんから再起できた主人も娘のおかげでした」(女性・がん経験者の家族)


「入院中に直属の上司が道に迷いながらもお見舞いに来てくれました。『会社に戻って来てもらわないと困る』と言ってくれて、とても嬉しかったです」(男性・精巣腫瘍経験者)


 ほかにもたくさんあります。こちらからご覧ください。


 
改めて、セカンドオピニオンって ~木口マリの「がんのココロ」~

 すっかり定着したように見えるセカンドオピニオン。患者の権利です。

 でも、今なお、受けるべきか悩んだり、勘違いしていたり、うまく活用できなかったりする人も多いように思えます。

 

「病院を替えるため」ではなく、受診中の病院に戻ることを前提に、「主治医以外の医師に意見を聞いてみる」という木口さんも、主治医に「は?」みたいな顔をされたら……と心配して、なかなか口に出せませんでした。

 それでもサードオピニオンまで受けた木口さんが、セカンドオピニオンの本当の意味、受けてよかった想定外のことなどをエッセイにまとめました。こちらです。

 
自力で探すのが大変そうながん種の患者会(支援団体)9団体を紹介!

 患者数の少ないがんでは、情報の入手、患者会や支援団体、先輩患者との出会いが難しくなります。そこで、自力では探すのが大変そうながん種の患者会(支援団体)をご紹介しました。全部で9団体。地域を越えてつながれる可能性もあります。ご活用ください。

 がんサバイバー・クラブでは、がん患者・家族のSNSサバイバーネットも運営しています。無料登録制で、ネット内で仲間を探すこともできます。是非ご登録を!


編集後記

 5月11日、リレー・フォー・ライフ・ジャパン東京御茶ノ水を訪ねました。日が暮れて、会場の東京医科歯科大学にずらりと並んだルミナリエに暖色の灯がともります。それぞれのルミナリエには、先に天国へ行った人への感謝や思い出などが綴られています。

 

 そんな中で、「頑張らないを当たり前に 本人も! そして家族も!」と書かれたルミナリエに惹かれました。「がんと向き合い前向きに」みたいなことが苦手な人もいるでしょう。共感して、思わずスタッフ便りに書き留めました。

 過ごしやすい季節になりましたね。みなさまご自愛を。

 

2019年5月16日

がんサバイバー・クラブ メルマガ編集委員 中村智志

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