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1966年生まれの清水敏明さんは、2012年に舌がんとわかりました。右あごへの転移もあり、舌の半分と右あごの骨、筋肉、神経を切除して、再建します。手術後は食べ物を口の奥にうまく送り込めず、むせたり、誤嚥(ごえん)の心配があったりしました。
そんな清水さんの「食」を支えたのは、退院の日に買ったハンドブレンダー、ミキサー、圧力鍋の三種の神器。これらを使い、家族5人の食卓で、清水さん用だけ、細かくしたり、柔らかく煮込んだりしました。
清水さんは妻の佳子さんに、どんな状態だと食べやすいかを「伝える」。佳子さんはさまざまなおかずを「試す」。たとえば、とろみをつけると、飲み込みやすい。納豆やオクラなど自然の食材を使いました。自慢の一品は、ネバトロサラダです。
階段を上がるように食事の幅を広げた清水さん。「食べること自体がリハビリだった」といいます。仕事に復帰し、頭頸部がんの患者会「Nicotto(ニコット)」を立ち上げて、昨年はフルマラソンを完走。「一食一食、とても大切に感じています」と語ってくれました。
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