メールマガジン第57号

闘病記の力に触れましょう 蔵書7000冊の図書館、パラメディカより~

 

 いつもご愛読いただきまして、どうもありがとうございます。本来なら先週の木曜日の発行でしたが、お盆の関係で1週間スライドしました。お伝えもせず、申し訳ありません。

 今後も隔週の木曜日にお届けしますので、どうぞよろしくお願い致します。

 

《たとえ99.9%絶望的な材料しかなくても、真っ暗闇にひと筋の光を見つけだすような心をもちつづけたい》(竹中文良『医者が癌にかかったとき』)

《今日(注:夫に告知された日)は私の生涯にとって画期的な日となった。私の生涯は今日から始まるのだし、これからが本番なのだ》(原崎百子『わが涙よ わが歌となれ』)

 

 いずれも、伊豆半島にある闘病記図書館「パラメディカ」で出会った本の抜粋です。前者は、1986年に55歳で大腸がんとなった日赤医療センター外科部長が書いた本、後者は、肺がんになった40代の牧師の妻が約40年前に書いた本(日記)です。

 魂をこめて綴られた言葉は、時を越えて今も光っています。

 

 闘病記は、貴重な羅針盤や教科書となります。パラメディカは、サラリーマンだった星野史雄さんが、妻の乳がんをきっかけに集めた約7000冊をそろえます。星野さんは2016年に大腸がんで他界。NPO法人わたしのがんnet.が引き継いで2018年4月に開設しました。

 

『生きのびるためのがん患者術』『がんでも私は不思議に元気』『ガンも自分 いのちを生ききる』『歌集 がん日記』『ありのままで』『きんもくせいの香るころに』……。

 鳥のさえずりを聞きながら先人の言葉に触れていると、自然と力が湧いてきました。

 
薬ができるまで、を映画で知ろう ~第11回がんサバイバーカフェのご案内~

 うらめしくなるときもあるけれど、お世話になっている薬。近年の発展はめざましく、古い闘病記を読むと、今なら・・・と思うこともしばしばです。

 

「ハーセプチン(一般名トラスツズマブ)」もそのひとつ。HER2タンパク陽性の乳がん患者さん向けに開発された分子標的薬です。日本では2001年に承認され、現在は、胃がんでも使えて、多くの命を救っています。

 10月31日(木)のがんサバイバーカフェでは、ハーセプチン誕生を描いた映画を観て、感想を語り合います。薬や臨床試験への理解も深まります。お申し込みはこちらです。

 
検索方法を改善しました!

 がんに向き合うと、決めなければいけないことや知りたいことが、大雨のように降ってきます。ところが、簡単なようで悩ましいのが「検索」。

 がんサバイバー・クラブのサイトに対しても、「知りたい情報にたどりつけない」というご意見をいただきました。そこで、検索方法を改善しました。こちらに図解しています。

1枚の写真が語る、生きている時間 〜木口マリの「がんのココロ」~
 

 写真って不思議です。何気なく撮った1枚に、意識していない自分の本心が映し出されていることがあります。多くの場合、あとから見返して気付くもの。

 

 会社を辞めてすぐに旅したキューバの旧市街で。がん発覚の半年前に訪れたインド・ガンジス川のほとりの聖地で。治療中に毎日散歩していた近所の公園で。

「写真に映る想い」を、木口さんが撮った3枚の写真から振り返ります。みなさんもそれぞれ、思い当たる写真が浮かぶことでしょう。続きはこちらで。

 

9月のイベントまとめました

 9月はがん征圧月間です。がん関連のイベントもいっそうにぎやかに開かれます。最新のイベント情報をまとめました。

 日本対がん協会も、9月29日に乳がん啓発のピンクリボンのシンポジウムを開きます。リレー・フォー・ライフも各地で開催されます。どうぞご活用ください。

秋を感じる9月の花をお楽しみください

 まさに忍び足で、秋が近づいてきました。朝夕には涼風を肌で感じます。9月の花をお届けします。

 北海道の阿寒摩周国立公園にある神の子池では、コバルトブルーの水面の傍で薄紫色のトリカブトが咲いています。青森県弘前市の最勝院では、風に揺れる赤紫色と白いハギが。佐賀では、黄金色に稔る稲穂を赤いヒガンバナが彩ります。こちらからどうぞ。

編集後記

 9月13日、日本対がん協会は愛媛県松山市でがん征圧全国大会を開きます。全国の対がん協会の支部が一堂に会し、地元のお客様らを招いて、作家・作詩家のなかにし礼さんの講演も行います。前日に開くセミナーやシンポジウムも含めて、よりよいがん検診の実施、普及拡大に向けて決意を新たにします。医療が進歩しても、早期発見は大切ですね。

 

 豪雨で被災された方々には、お見舞い申し上げます。季節が移り始めました。みなさん、どうぞご自愛を。

  

2019年8月29日

がんサバイバー・クラブ メルマガ編集委員 中村智志

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