メールマガジン第61号

 

なかにし礼さんが語る「がんになったら、じたばたしよう」 ~がん征圧全国大会より~ 

 いつもご愛読いただきまして、どうもありがとうございます。隔週の木曜日に発行しています。


「今日でお別れ」「北酒場」「まつり」などのヒット曲、直木賞を受賞した『長崎ぶらぶら節』、『赤い月』『兄弟』などのベストセラー小説で知られる作家・作詩家のなかにし礼さんは、2度のがんを経験したサバイバーです。

 最初は2012年、食道がんになりました。手術を勧められましたが、心筋梗塞を抱え心臓が長時間の手術に耐えられそうにないため、断ります。


「ゆっくり死ぬか」と緩和病棟に入ったものの、そこで受けた抗がん剤、放射線が合わず、すぐに退院。夫婦で懸命に探して、陽子線治療にたどり着き、治しました。

 しかし、3年後に再発。食道の近くのリンパ節にできたがん細胞が気管支にピッタリくっついていて、気管支の被膜を破ると、「多臓器不全で生きられて5日」という状況でした。

 手術を試みるも、がんは取れない。そんな土俵際で、なかにしさんが始めたことは連載小説の執筆でした。最終的には、外科医のある閃きも功を奏し、完全寛解します――。


 なかにしさんは、まな板の鯉で医師任せにせず、自分で勉強し、判断し、選択してきました。

「じたばたするな」ではなく、「じたばたしよう」。その先に人間的な成長がある。
「がんになった後の自分のほうがはるかに好き」と語るなかにしさんのメッセージや矢沢永吉さんとの交流まで詰まった、9月のがん征圧全国大会における講演を採録しました。

 

 
別人のような笑顔 ~レジェンド医師・佐々木常雄の「灯をかかげながら」~
 都立駒込病院名誉院長の佐々木常雄先生のエッセイ第2回です。

 田舎の診療所に移ったF医師(62歳、内科医)は、清流の水音や釣りを楽しんでいましたが、奥さんが胃がんになります。退院後、抗がん剤の副作用で本調子ではありません。

 

 そんな奥さんがしきりに訴えたのが、診療所の庭に立つ大きな柿の木の実をもぐこと。奥さんと近所の女性たちで、たくさんの柿をもぎ、皮を剥き、軒先に吊るします。見事に柿のカーテンができました。
 
 気づけば奥さんは、別人のような笑顔に。

 彼女がF医師に語った意外な言葉とは――。続きはこちらで。

 
お金がないときの楽しみ方 ~木口マリの「がんのココロ」~

 治療には何かとお金がかかります。なのに、生活費も普通にかかります。収入が減ることがあっても。木口マリさんもそんな現実に直面しました。さまざまな制度のことも知らず、家族のサポートはあったものの、基本的には、わずかな貯金と保険金で乗り切ることに。

 
 そんなときに木口さんが編み出したのは、「1回1,000円計画」と「自宅内&自己内リソースの発掘」。??? 文字面から何となくイメージは浮かびますが、実際のやり方まではわからない。詳しくはこちらで。人生のスパイスが描かれています!

 
11月のイベントです

 11月のイベントをまとめました。日本対がん協会もNPO法人日本キャリア開発協会と共催で働く世代のがん患者向けイベント がんになった経験を社会に活かそう ~自分のため・誰かのため~ を開きます。

 

 ほかにもたくさんのイベントをご紹介しています。地域やがん種などで絞り込み検索もできます。患者会・患者支援団体ページに掲載した活動予定情報もご活用ください。

秋深まる11月の花をお楽しみください

 そろそろ晩秋ですね。「つるべ落とし」を実感します。一方で昼間はまだ暖かく、植物たちも元気です。東京の植物園では青紫色のリンドウが可憐な姿を見せて、小豆島では緑や濃い紫色のオリーブの実が収穫を待っています。

 どうぞこちらでお楽しみください。動画もあります。

 
編集後記

 久しぶりに職人らしい大声を聞きました。10月20日、リレー・フォー・ライフ・ジャパン上野の片付けのときです。テントを支える柱や錘など、重たいものを10トントラックに積み込みます。「昔なら手が出てるぞ!」などと学生らしきアルバイト君に声を張り上げます。

 一歩間違えれば大けがにつながる世界。最初は驚きましたが、やがて、パワハラではなく真剣なんだとわかりました。そして、台風の被害を受けた方たちの復旧作業の大変さを思い浮かべました。足元が悪い中で、水を含んだものを運び出す高齢者の方たち……。

 被災された人たちを忘れないことが大切だと改めて肝に銘じました。本格的な冬までには落ち着かれることをお祈りします。


2019年10月24日
がんサバイバー・クラブ メルマガ編集委員 中村智志

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