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「写ルンです」を覚えていますか?
懐かしいですね。群馬大学教授の奥津哲夫さんは、東京工大の大学院を出た1991年に富士フイルムに入社し、「写ルンです」の高感度フィルムの開発に携わっていました。
1994年に群馬大学へ転職。高校の後輩でもある妻の睦実さんと移った新天地で、2人の子どもにも恵まれ、安定した生活を送っていました。
それが2007年秋、胃がんのステージ3Aと判明。胃を全摘し、食道も半分切って、脾臓や胆のうも切除します。72キロあった体重は51キロまで減りました。
術後は、5年日記を始め、免許を取って大型バイクに乗り、瞑想に耽ります。しかし、3年後に肺転移。一時は投げやりになりましたが、そこは科学者、徹底的に調べて、当時は標準治療になっていなかった治療法に出会います。こうしてがんが収まったころに、今度は燃え尽きてうつ病に。医師の助言もあり、目標を下方修正して折り合いをつけました。
この間、奥津さんは一貫して、食にこだわります。野菜の煮汁、鶏肉の雑炊、調味料なしの卵焼き、なぜか回鍋肉……。「がんが消える食事」には、吸い寄せられそうになるも、エビデンスがないと見切ります。
「自分の体を実験台にしてきました」と振り返る奥津さん。ちなみに、多くの人が悩まされるダンピング症候群対策は意外な飲み物でした!