メールマガジン第62号

 

胃がんの科学者が、自分を実験台にしてみたら

 いつもご愛読いただきまして、どうもありがとうございます。隔週の木曜日に発行しています。

 

「写ルンです」を覚えていますか?

 懐かしいですね。群馬大学教授の奥津哲夫さんは、東京工大の大学院を出た1991年に富士フイルムに入社し、「写ルンです」の高感度フィルムの開発に携わっていました。

 

 1994年に群馬大学へ転職。高校の後輩でもある妻の睦実さんと移った新天地で、2人の子どもにも恵まれ、安定した生活を送っていました。

 それが2007年秋、胃がんのステージ3Aと判明。胃を全摘し、食道も半分切って、脾臓や胆のうも切除します。72キロあった体重は51キロまで減りました。

 

 術後は、5年日記を始め、免許を取って大型バイクに乗り、瞑想に耽ります。しかし、3年後に肺転移。一時は投げやりになりましたが、そこは科学者、徹底的に調べて、当時は標準治療になっていなかった治療法に出会います。こうしてがんが収まったころに、今度は燃え尽きてうつ病に。医師の助言もあり、目標を下方修正して折り合いをつけました。

 

 この間、奥津さんは一貫して、食にこだわります。野菜の煮汁、鶏肉の雑炊、調味料なしの卵焼き、なぜか回鍋肉……。「がんが消える食事」には、吸い寄せられそうになるも、エビデンスがないと見切ります。

 

「自分の体を実験台にしてきました」と振り返る奥津さん。ちなみに、多くの人が悩まされるダンピング症候群対策は意外な飲み物でした!

 
新連載 認定看護師・かみうせまゆの「忘れえぬ患者さんたち」

 千葉県松戸市の新松戸中央総合病院のがん化学療法看護認定看護師、かみうせまゆさんは、2002年に看護師免許を取得しました。以来、がん看護の現場で、たくさんの患者さんと出会ってきました。瞼を閉じれば浮かぶ姿を、看護師ならではの視点で描きます。

 

 第1回は、ハロウィンを心待ちにしていた血液がんのたか子さんとの、今だから言える秘密です。こちらからどうぞ。

 
麻薬って聞くとドキッとするけど ~がん相談ホットラインの現場から~

 麻薬は怖い。これは常識です。それだけに、医療用麻薬も怖いと思っている人は、少なくありません。医師は安全だって言うけど本当かな、と疑問を抱く人もいます。麻薬を使うのは最後の手段、と信じている人も。モルヒネといった名前も、怖さを増幅させます。

 

 でも、これって全部、”都市伝説”。むしろ、医療用麻薬を適切に使わないことで失うもののほうが怖いのです。それは何? こちらにまとめました。

 
いざ入院、目からうろこの必需品は? ~木口マリのがんのココロ~
ある意味、入院は「旅行+生活+サバイバル」。そう捉える木口さんは、初めての入院のとき、病院のパンフレットに持ち物リストがきちんと載っていないことに気づきました。でも実は、“装備”次第で、病院ライフも楽しくできます!

 

 2泊3日から1カ月以上まで。合計9回も入院した木口さんが、とっておきの入院準備を伝授します。目からうろこの必需品は、こちらでチェックしてください。

 

 
編集後記

  おかげさまで、です。がんサバイバー・クラブのツイッターのフォロワー数が9000を超えました。もうすぐ1万です! フェイスブックの「いいね!」も7000に迫っています。サイトの月間アクセス数は10万が見えてきました。メルマガの登録数は約3000。スポーツや芸能、話題のニュースをお伝えしているわけでもないのに……。

 

 本当にありがとうございます。日本対がん協会のがんサバイバー・クラブは、これからも、情報発信とイベントを2本柱に、みなさんと伴走していきます。

 1日の寒暖の差が激しい季節となりましたね。どうぞご自愛を。

 

 

2019年11月7日

がんサバイバー・クラブ メルマガ編集委員 中村智志

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