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大腸がんになって、86キロあった体重が56キロに減り、「昔の友達に会うと2度見されるんですよ」と笑う川口健太朗さん。笑顔が自然な32歳の若者です。
2014年、下痢が続いて大腸がんステージ3bと診断された川口さんは、開腹手術を受けて、「やるしかない」という覚悟で抗がん剤治療に臨みます。しかし、副作用で、だるさ、吐き気、しびれがひどく、気持ちも落ち込み、家にこもる日々。食欲も減る一方です。
そんな中で行き着いたのが、野菜中心の食生活です。食欲がないときは、ほうれん草、にんじん、りんご、バナナなどのジュースにします。ミキサーで野菜類を液状にしたあと、茶こしで絞りカスを取り除きます。そのカスも、ヨーグルトをかけて食べました。
ところが、ひそかに飲んでいたお酒のせいか、大量の血を吐きます。それを機に、「ちゃんと健康的に生きよう」と決意したそうです。
やがて食材が気になってきて、いつの間にか、家庭菜園で、完全無農薬の野菜を育てていました。土に触れる畑仕事は気持ちを癒やしてくれます。1日1.5食から2食で野菜鍋中心、またランニングも始めたことで、自然に体重が落ちていきました。
今ではフードコーディネーターや食生活アドバイザーの資格も取った川口さん。がんサロンなどでサバイバーのみなさんに助言をしています。
そんな川口さんの歩みには、サバイバーなら誰でもあっと驚く“秘話”が隠されていました。