メールマガジン第65号

肺がん、ステージ4でも長期共存が見えてきた ~明日のがん医療~ 

 いつもご愛読いただきまして、どうもありがとうございます。隔週の木曜日に発行しています。

 

 がんの治療は日進月歩です。なかでも肺がん治療の進歩は目を引きます。肺がんはステージ4で見つかることも少なくありません。しかし、気になる免疫療法、がんを増殖させる遺伝子を狙い撃つ分子標的薬ともに、世界中で研究開発が盛んに行われ、新しいニュースがしょっちゅう飛び込んできます。

 

 近い将来、どんな治療を受けられそうなのか? 国立がん研究センター東病院の後藤功一先生、国立がん研究センター中央病院の後藤悌先生、順天堂大学大学院の高橋和久先生、埼玉医科大学国際医療センターの各務博先生の4人に伺いました。

 

 ある先生は、白地図に訪れた国を塗っていくように、まだ承認薬のない遺伝子変異のタイプに対する分子標的薬が増える可能性を、またある先生は、免疫療法の併用療法(免疫チェックポイント阻害薬と別の薬を併用する)がより高い治療効果を上げる可能性を、指摘しました。なかなか目覚ましいニュースがない小細胞肺がんでも、この夏、免疫療法の併用療法が承認されています。

 

 浮かび上がってきたのは、デコボコはあれども、気づけば確実に山を登っている状況。ステージ4でも、遺伝子タイプに適した治療法を選ぶ個別化医療で、長く共存する時代が見えてきそうです。がん治療は臓器別から遺伝子変異タイプ別へ、ともいわれる時代、肺がんの研究成果は、ほかのがんにも応用されていくことでしょう。

 
がんサバイバー・クラブ、今年読まれた記事ベスト5は?
2019年も、がんサバイバー・クラブはさまざまな情報を発信してきました。
 今年アップした中で、読まれた記事ベスト5を発表します!

 

第1位:脱毛はコワくない 〈脱毛・其の一〉/ 木口マリの「がんのココロ」

 抗がん剤の副作用のうち、多くの人が精神的苦痛を感じる「脱毛」。私はどうだったかと言うと、確かに髪は抜けたけれど、結果的にショックの「ショ」の字もなく、逆に意外なほど興味深く楽しい時間を過ごしました……。


第2位:がん専門医ががんになって気づいたこと ~中川恵一先生のカルペディエム(今を生きる)~/がんと生きる

 東京大学医学部附属病院の中川恵一准教授は、メディアなどで、がんについてわかりやすく発信している、いわば伝道師だ。そんな中川先生が膀胱がんになった……。

 


第3位:性交渉の悩みは堂々と聞きましょう ~がん相談ホットラインの現場から~


第4位: 妹の存在と食事の記録を支えに ~みんなのがん手帖~


第5位:「まな板の鯉にならず、じたばたしよう がんは成長のチャンス!」 ~作家・作詩家・なかにし礼さんのがん征圧全国大会講演より~

 

 いかがでしたか? 気になるけれど聞きづらいこと、がんと共存しているほかの方のストーリーが人気を集めたようです。まだお読みになっていない方は、この機会に是非!
 ほかにも多数の記事をご用意しています。

 

 
レシピ投稿のベスト5も出しました!

 がんサバイバーキッチンに投稿されたレシピのベスト5も出しました。


第1位:バナナコーンフレーク(味覚麻痺時に)

第2位:かぼちゃの冷たいスープオレンジ風味

第3位:にぎらないおはぎ

第4位:クタクタの牛すじ煮込み

第5位:けんちん汁から作る鶏雑炊


 読むだけで食べたくなりますね! がんサバイバーキッチンでは皆さまからの投稿をお待ちしています!

 
治療へと突入するスピードが早すぎて泣きそうになる ~木口マリの「がんのココロ」~

 今年の第1位に輝いた木口さんの最新エッセイは、診断から治療までのスピードの早さがテーマ。自分のことなのに追いつくのが大変、という経験のある方は多いでしょう。

 木口さんもそうです。スタタタタタ〜と話が進んでいく中で、何とかついていけたのは、医師たちのほんのちょっとした配慮が大きかったそうです。

 

 それがなかったとしても、あれこれのことを「どう捉えたらいいのか」を知っていたら、落ち着き具合が違ったかもしれないといいます。「少しの間、立ち止まってもいい」と語る木口さんの体験は、なるほどポイントが満載です。こちらです。

 
サンタさんはだあれ? ~かみうせまゆの「忘れえぬ患者さんたち」~

 街はクリスマス。かみうせさんが働く病院でも、入院中の患者さんに、プレゼントを準備して、小さなキャンドルサービスのイベントを楽しんでいただいています。

 スタッフがサンタやトナカイに扮して病棟から外来まで順に回ります。誰がサンタやトナカイになるかは患者さんには秘密。

 

 そんな中で、かみうせさんは、悪性リンパ腫になった23歳のY太さんからもらった手作りのクリスマスカードが忘れられません。しっとり温かい物語はこちらです。

編集後記

 84歳の母にひょんなことから初期の乳がんが見つかり、昨日(12月18日)、無事に手術を終えました。


 11月16日に、患者会のNPO法人ブーゲンビリアの学習会があり、聖路加国際病院ブレストセンター長の山内英子先生が講演をしました。私も女性サバイバーたちに交じって聴きました。医療は患者の生活まで見据えたいという趣旨のお話や、山内先生と参加者たちとの質疑応答が印象的でした。スタッフだよりにまとめました。

 

 今年も日本対がん協会がんサバイバー・クラブを応援していただき、どうもありがとうございました。次回のメルマガは、お正月休みをいただいて、1月16日にお届けします。

 みなさま、どうぞよいお年をお迎えください。

 

2019年12月19日

がんサバイバー・クラブ メルマガ編集委員 中村智志

 

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