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がんの治療は日進月歩です。なかでも肺がん治療の進歩は目を引きます。肺がんはステージ4で見つかることも少なくありません。しかし、気になる免疫療法、がんを増殖させる遺伝子を狙い撃つ分子標的薬ともに、世界中で研究開発が盛んに行われ、新しいニュースがしょっちゅう飛び込んできます。
近い将来、どんな治療を受けられそうなのか? 国立がん研究センター東病院の後藤功一先生、国立がん研究センター中央病院の後藤悌先生、順天堂大学大学院の高橋和久先生、埼玉医科大学国際医療センターの各務博先生の4人に伺いました。
ある先生は、白地図に訪れた国を塗っていくように、まだ承認薬のない遺伝子変異のタイプに対する分子標的薬が増える可能性を、またある先生は、免疫療法の併用療法(免疫チェックポイント阻害薬と別の薬を併用する)がより高い治療効果を上げる可能性を、指摘しました。なかなか目覚ましいニュースがない小細胞肺がんでも、この夏、免疫療法の併用療法が承認されています。
浮かび上がってきたのは、デコボコはあれども、気づけば確実に山を登っている状況。ステージ4でも、遺伝子タイプに適した治療法を選ぶ個別化医療で、長く共存する時代が見えてきそうです。がん治療は臓器別から遺伝子変異タイプ別へ、ともいわれる時代、肺がんの研究成果は、ほかのがんにも応用されていくことでしょう。