メールマガジン第67号 本当の人生会議って何だろう? 
~スキルス胃がんで夫を亡くした轟浩美さんの経験から考えました~

 いつもご愛読いただきまして、どうもありがとうございます。隔週の木曜日に発行しています。

 

「人生会議」をご存じですか? 「人生の最終段階に望む医療・ケアについて前もって話し合っておく」取り組みの愛称です。2019年11月に厚生労働省が、お笑い芸人の小籔千豊さんをモデルに作成したポスター、と聞けば思い出す方もいらっしゃるでしょう。

 

 ポスターは、小籔さんが鼻にチューブを入れた状態でベッドに寝ている写真に、「命の危機が迫った時、想いは正しく伝わらない。」のキャッチコピーと、「まてまてまて」で始まり、「こうなる前に、みんな『人生会議』しとこ」で終わる文章が添えられています。

 

「不安をあおる」などの声が出て、配布は中止になりました。国のがん対策推進協議会の委員も務めた、認定NPO法人「希望の会」の轟浩美さんも、厚労省に意見書を送った1人です。メディアでコメントが報じられると、「寛容になれ」などの批判が来ました。

 

 でも、轟さんは短絡的に疑問を呈したわけではありません。ケアの限界を超えてしまい、自宅で送りたかった夫の哲也さんを、病院の一般病棟で看取りました。理想と対極の形なのに、病院だからこそ得られた穏やかな日々がきらめき、今も支えになっています。母を火事で、父を突然死で亡くした経験も踏まえて、「本当の人生会議って何だろう」と考えました。

 
少しずつ心を開くということ ~かみうせまゆの「忘れえぬ患者さんたち」~

 がん化学療法看護認定看護師・かみうせまゆさんの連載です。
 U美さんはシステムエンジニアで、夫と3人のお子さんと暮らす40代の乳がんサバイバーです。

 

 抗がん剤→手術、という治療方針が決まりましたが、副作用がひどく、「私をモノのように扱わないでください」と訴えたことも。そんなU美さんが、徐々にかみうせさんたち医療スタッフに心を開いていきました。一体何が? 詳しくはこちらで。

 
怒涛の救急隊 〜木口マリの「がんのココロ」~

 術後合併症で腸閉塞になってしまった、ある冬の日。木口マリさんは激痛に我慢できず、やっとの思いで119番にかけました。やってきた救急隊は、「確認!」の嵐。
 そこから木口さんは、徹底的に確認する意味や、助けたいと願う救急隊の「熱」などに思いを巡らせます。コミカルに読めてじんわりと来るエッセイをどうぞ。

 
2月のイベント、まとめました

 2月4日は世界対がんデー。そのせいでもありませんが、2月のイベントも盛りだくさんです。テーマも患者力、正しいがん情報などさまざまです。

 がんサバイバー・クラブは、SNSでもイベント情報を発信しています。ご活用ください。

 
白い梅の花が一斉に! ~癒しの空間より~

 暖冬とはいえ、最も寒い時期ですね。けれども、植物たちは元気です。福岡県の太宰府天満宮では、拝殿前の梅の木が一斉に白い花を咲かせていました。九州がんセンターの花壇でも、アネモネが真紅の花びらを広げています。

 植物は、季節を一足早く告げてくれます。2月4日は立春です。こちらからどうぞ。

編集後記

 マスクが手に入らない。東京では、そんな情報が飛び交っています。北陸に住む友人が、「東京に行くんだけど、お土産にマスクを買っていくつもり」と伝えてきました。

 

 理由は明らか。検索サイトで「新型コロナウイルス 中国人」と入力すると、「来ないで」「迷惑」「入国禁止」などの予測変換が出てきました。エビデンス(科学的根拠)に基づく正しい情報が大切なのは、がんに限らないでしょう。ここは冷静に、踊らされずに対処していきたいものですね。

 

2020年1月30日

がんサバイバー・クラブ メルマガ編集委員 中村智志

 

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