お茶の間(昭和の言い方ですね)でもおなじみの演出家の宮本亞門さん(62)は、東京・銀座生まれ。ミュージカルや歌舞伎などまでジャンルを越えた演出で活躍しています。
そんな亞門さんは、2019年2月、テレビ番組の企画で人間ドックを気軽に受けます。ところが、結果が出ると、それまで笑っていたスタッフが深刻な顔になって……。
前立腺がんでした。「自分らしくなれるのは舞台」と稽古を続けたものの、1人になると孤独感に襲われます。寝ているときには、宇宙に1人取り残されて、浮いている気分になったそうです。犬だけが、静かに舐めてくれたとか。
全摘手術を受け、ノンストップで仕事も続けて、ここまで来ました。2019年9月には、亜門から亞門に改名しています。
そして、これまで以上に「生きる」ことを掘り下げるようになりました。2月4日に東京・品川で開かれたネクストリボン2020(朝日新聞社、日本対がん協会主催)では、たっぷりの笑いを取りながら講演しました。
「あの経験があったから今の自分がある」。そう語る亞門さんの、たくさんのメッセージをお受け取りください。