いつもご愛読いただきまして、どうもありがとうございます。隔週の金曜日に発行いたします。

 

【今号の内容】

・重症化しやすい？　子どもが感染したら？　洋服は毎日洗う？

　～新型コロナウイルスのアンケート、129人の声～

・「力を借りる」と考えてみましょう　～がん相談ホットラインの現場から～

・無理なく続けられる食事なら、家族みんなで楽しめる　～みんなのがん手帖～

・治療中に小説を書いてみました　～かみうせまゆの「忘れえぬ患者さんたち」～

・人工肛門は、お嫌いですか？ ～木口マリの「がんのココロ」～

・編集後記　

　３月末にご協力をお願いしたアンケート「コロナウイルスに関連で、あなたの心配事は何ですか？」に、129人の方からご回答いただきました。どうもありがとうございました。

 

　エッセンスは、日本対がん協会のホームページのトピックス欄に掲載しました。がんサバイバー・クラブのサイトでは、さらに詳しく、みなさんの声をご紹介しています。

　回答は大きく、質問、不安や悩み、ご要望の３つに分けられます。

 

　質問は、「抗がん剤や放射線治療を受けていると、重症化しやすい？」（50代女性、乳がん）、「持病のある人に経過観察中の人も含まれるか？　主治医に相談するタイミングは？」（50代女性、子宮体がん）、「洋服は外出するたびに洗濯するの？」（50代女性、乳がん・子宮体がん）など多岐にわたりました。

 

「復職の相談どころでなくなってしまった」（50代男性、膠芽腫）、「子どもから感染する可能性もある」（50代女性、大腸がん）などの不安や悩み、「病院側からより積極的なアナウンスがほしい」（50代女性、子宮内膜質肉腫）といった切実なご要望も届きました。

 

　日本対がん協会では、がん患者さんのための新型コロナウイルスというWebセミナーを始めています。緊急事態宣言を受けて規模を縮小しますが、がん相談ホットラインも開設し続けます。どうぞご利用ください。

 

　家族や周囲の人に手助けしてもらうと、体の負担は軽くなっても心の負担が重くなる……。そんな経験のある方も多いのではないでしょうか。

 

「してもらう」「やってもらう」というのは、どちらかというと一方通行です。ならば、考え方を変えてみましょう。それが、「力を借りる」です。借りるのだから、あとで返せばいい。でもどんなふうに？　実例をご紹介しながらまとめました。こちらです。

 

　2008年末、29歳で胃がんとなった松野真也さんは、胃の３分の２を切除し、抗がん剤治療をスタート。2011年に腹膜への転移があり、再び抗がん剤治療を続けます。

 

　治療後も食事中に違和感を覚えます。原因の食材を突き止めるまで、食事の記録をこまめにつけ、試行錯誤の日々でした。妻の奈緒子さんも、マクロビオティックの勉強をするなどして支えます。辿り着いたのは、無理なく続けられる食事。一人息子も誕生しました。取材時には鶏ひき肉の餃子を作ってくれました。夫婦の“探求”と信頼の物語です。

　がん化学療法看護認定看護師・かみうせまゆさんはある日、親しくなった患者さんに冊子を見せられます。『タクシードライバー奮闘記』。

 

　筆者のミツルさんは60代前半。消化器系のがんのサバイバーで、本職は違いますが、タクシードライバーになりきって短編集を仕上げたのです。読むと温かい気持ちになるそうです。こちらから。