いつもご愛読いただきまして、どうもありがとうございます。隔週の金曜日に発行いたします。

  

【今号の内容】

・MDアンダーソンのがんサバイバーウイークは、なぜラビリンスや瞑想なのか？　～上野美和のテキサス便り～

・質問に答えるだけで働き方が見える！　～がん経験者の就活応援ガイド～

・世界で一つだけの帽子をめぐる物語　～かみうせまゆの「忘れえぬ患者さんたち」～

・緊急事態宣言中の主な相談は？　～がん相談ホットライン～

・バトンリレー動画「ここでつながる、新しいきずな」、アップしました！

・梅雨の時期こそおいしいものを　～がんサバイバーキッチンより～

・編集後記

　元MDアンダーソンがんセンターの上野美和さんの連載第４回です。MDアンダーソンでは、毎年６月にがんサバイバーウイークが開かれます。

 

　今年は６月７日～13日まで。新型コロナウイルスの感染防止対策で、イベントはオンラインになりました。動画がサイトにアップされているので、日本にいて、今からでも、気軽に“参加”できます。

 

　興味深いのは、ラビリンス（迷路、迷宮）、瞑想、ヨガといったプログラムが目立つことです。米国きってのがん医療機関がなぜ？　上野さんの連載ではその疑問にもお答えしていますが、それはさておき、動画を見ると、自宅でも簡単にできるものがたくさんあります。

 

　迷路は、指先でたどるたけでもOKです。オリジナルのビジョンボード作成は、小学校の図工の時間を思い出すかもしれません。いずれも、楽しみながら、リラックスしたり気分を上げたりできるでしょう。

 

「がんはパンデミックの間も止まりませんが、私たちも止まることはありません」

　このフレーズからも、MDアンダーソンの心意気が伝わってきます。

「よりよい意思決定のための就職活動応援ガイド」という冊子ができました。国立がん研究センターがんサバイバーシップ支援部のホームページからダウンロードできます。

 

　同部の医師や社会学の研究者、教育学の研究者、AYA世代のがん経験者、ハローワークの相談員、精神・神経科の専門家らが執筆に協力しています。がんのことを伝えるか、内定を得る戦略など、各章の質問に答えていくと、自分らしい働き方が見えてきます。

　がんでない人にも参考になる内容です。詳しくはこちらです。

　子宮肉腫の抗がん剤治療で入院していたＡ子さんの次男、サブロウくんは、いつも路上ダンサーのようなファッションで、軽快な足取りで面会に来ていました。

 

　がん化学療法看護認定看護師の筆者はＡ子さんの部屋で、サブロウくんが、スポーツキャップにペイントマーカーでデザイン文字と絵を描いて、ものの10分でオリジナルキャップを完成させているのを見ます。思わず自分も“顧客”に。

　世界で一つだけの帽子をめぐる物語です。こちらからどうぞ。

　緊急事態宣言の期間中、日本対がん協会のがん相談ホットラインに寄せられた相談の３分の１（217件）が、新型コロナウイルスに関わる内容を含んでいました。詳細を分析しました。日常に戻りつつある一方、東京では感染者が高止まりです。だからこそ、がん経験者の本音を知っておく必要があるでしょう。

 

　がん専門医と社会保険労務士が承る無料の電話相談がん患者のための新型コロナウイルス特別相談も実施中です。