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石巻工房ニュース - KOBO NEWS - Vol.25
ご無沙汰しております。前回の配信から少々間が空いてしまいましたが、みなさまいかがお過ごしでしたでしょうか。
石巻工房では、夏休み期間ということもあり親子向けのワークショップを開催したり、職場体験やインターン生の受け入れなど人との交流の多い夏でした。また、7月から石巻市で開催されているReborn-Art Festival 2017もあり、市内は賑わいを見せています。
石巻工房ニュース - KOBO NEWS - Vol.25 のコンテンツは以下となります。

CONTENTS

■ 「シンガポール:インサイド・アウト2017」展に参加しました。
■ ロンドンでの現地生産・販売が始まりました。
■ 1to2 BLDG.にて開催される「イチと二市」に出店します。
■ 新作商品のご紹介
■ Column 工房長のサイケデリックな日々 Vol.23

■ 「シンガポール:インサイド・アウト2017」展に参加しました。

8月25日〜27日の3日間、表参道のBANK GALLERYにて「シンガポール:インサイド・アウト2017」展に参加しました。
本展はシンガポール政府観光局が開催しており、国境を越えて様々なアーティストたちによるコラボレーションイベントや展示が行われました。石巻工房はかねてから商品をお取り扱いいただいているシンガポールのセレクトショップ Supermama Storeとのコラボレーションとして会場什器を制作しました。

■ ロンドンでの現地生産・販売が始まりました。

2014年に構想が生まれたMADE IN LOCALプロジェクトの1拠点であるロンドンにて、現地での生産・販売が始まりました。
現地の工場や仕入れられる材料を用いて、現地の手で石巻工房の家具を作るという取り組みです。家具やものづくりの流れが、人件費の安価な地域によって大量に生産されるというモデルとは違う流れを目指しています。
他では、フランスとスペインの間にあるアンドラ公国のインテリアショップ「Delta Moble」にて石巻工房の家具が導入されたり、シンガポールでは展示会にて石巻工房の家具をご紹介しております。いずれも現地での生産を目指して、少しずつではありますが活動を進めている段階です。今後もこちらでご紹介していければと思います。


■ 1to2 BLDG.にて開催される「イチと二市」に出店します。

8月に仙台にオープンした「1to2 BLDG.」にて、本日より2日間開催される「イチと二市」に出店しています。
今回は「海の街市」をテーマとして、石巻・塩釜・東松島などのカフェや雑貨展が一緒に出店しています。石巻工房はアウトレット商品や布製品をメインに販売しています。ぜひお越しくださいませ。

イチとニ市 vol.02
会期:9月1日(金)〜2日(土)
時間:11:00〜18:30
会場:1to2 BLDG.(宮城県仙台市青葉区片平1-3-35)

■ 新作商品のご紹介

・TISSUE WEIGHT(design:DRILL DESIGN)
ティッシュのおもりのような、規格材をそのまま使用したティッシュウェイト(ティッシュボックス)。木の素材感を活かし、どんな空間にもマッチするデザインにしました。



・MIRROR SHELF(design:Keiji Ashizawa)
ベースの木材にスリットを入れ、円形の鏡をセットするだけのシンプルなデザイン。木材には両面にそれぞれ20度、30度と角度の異なるスリットが入っており、鏡の角度を変えることができます。鏡の脇には化粧品や鍵など置いたりできるスペースも作りました。



・HIGH END(design:TORAFU ARCHITECTS)
「少し高い」がちょうどいいブックエンド。書類をすっきりと支えてくれるだけでなく、パーティションやメモを貼るボードなど、置き方次第でさまざまな使い方を見つけることができます。



この他にも様々な新商品が登場しています。
■ Column 工房長のサイケデリックな日々 Vol.23


テーマ「はじまりとこれから」






まず拠点を作る。
旗を立てる。

これは石巻工房が構想段階だった頃に、
芦沢が打ち立てた最初のアクションだった。

2011年の秋、
最初に借りていた物件をとある理由で追い出された石巻工房は次なる拠点を探していた。
同じ通りの数件先、
たまたま出会った男性に声を掛ける。
「若者に貸さないとダメなんだよ」
彼はそう言って快く物件を貸してくれたそうだ。

「震災の時はここで何人か亡くなっていてね」
などと神妙になってしまう話も、
「一緒に拝んでくれないかなぁ」と彼はニッコリと笑って、
お線香に火をつけながら亡くなった方の最期の場所を巡り、私も一緒に拝んだ。

その後、その場所はISHINOMAKI 2.0の拠点となり、
IRORI cafeという場所に姿を変える。
いままで石巻のような田舎には無かった都会の風を感じられるランドマークになった。
裏手に引っ越した工房も、
昔は蔵があったという場所を資材置き場として引き続き貸していただいた。

工房は少しずつであるが規模を拡大し、
家具を扱うという点で広い場所が必要になり郊外に拠点を移した。

さて、
我々が目指す工房は、
単なる木工屋ではない。
DIYとデザインを基軸としたこれまでになかったブランドの構築であり、
それを実現する上で様々な手法を試す街全体を使った実験場であるという点だ。
会社の英語表記は「ISHINOMAKI LABORATORY INC.」
まさに実験室なのだ。

出る杭は打たれる、出過ぎた杭は打たれない。
ならば出過ぎた実験室を作ればいい。
だが、やはりそれにも拠点が要る。

英語といえば、
最近海外であるプロジェクトが進行中だ。
その名も「MADE IN LOCAL」
これまで主流となっていた製造コストが安い海外からそれを輸入し、
利ざやを稼ぐという方法とは異なり、
販売するその場所で製造し同じエリアでそれを売る。

誰かが搾取し、誰かが損をするといったスパイラルを断ち切れるようなシステムを模索している。
既に、
イギリスはロンドンを拠点とするSCPというセレクトショップで販売が実現され、
今後はシンガポール、台湾と舞台を移していく予定だ。
もちろん、日本国内でも進めていたりもする。

旗を立てるのは重要だ。
海賊王になるためにも、旗は必要なのだ。
自分がいる場所、表現したいことを知らしめるためにも。

だが、
立てるためにはやっぱり拠点が要る。

石巻のような閉鎖的だった場所で、
拠点を築くという最初のハードルを取り払い、
どこの馬の骨とも分からない若者に未来を託してくれるような、
いい意味で偏屈なオヤジはそうそう居ない。

石巻工房を取り巻く事象は、
彼が居たからこそなり得たといっても大袈裟ではない。
ISHINOMAKI 2.0しかり、イトナブしかり、REBORN ART FESTIVALしかり。
あの日、あの場所を貸してくれなければ恐らくは何も派生しなかったであろう。
あったとしても、長く続いていただろうか。

地元住民とのハブとして、
得体の知れない若者達を受け入れ、
地域の方々に紹介していただき、
より良い関係の橋渡しをしてくださった功績は大きい。

未来を託された若者達はその場所で種を蒔き、
花を咲かせて収穫できるまでに成長している。

もう少し先の未来を見てもらいたかった。


新田 正 様 
享年81歳

ご冥福をお祈りする。



 
株式会社石巻工房 

渡波字栄田164-3, 石巻市, 宮城県 986-2135, Japan


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