ITOCでは、(株)ナカサ、(株)アキュートシスコムの3者にて共同研究を行いましたので、
レポートいたします。
1.概要
製造現場では生産性向上が求められており、工場における作業者の状態を作業の組み合わせや作業者の力量によって、どのように数値が変化するかの可視化を機械学習を用いて試みた。使用した機械学習のモデルはVGG16学習済みモデルに工場天井から撮影した作業者の画像を転移学習させて画像認識させた。
生産性向上等に向けて工場で機器を操作する作業員の行動分析(可視化)を行うため、機械学習を用いてカメラの画像データから人の有無を識別することを目的として実施。屋内の機械加工場に監視カメラを設置し、カメラの画像データから所定の機器を操作する作業員の位置を抽出し、定常的な行動を学習することで、通常とは異なる行動(非定常的な行動)を識別できるか検証を行った。
具体的には、4台のカメラ映像を一枚の画像データとして取得することから作業員を検出する必要のある区画を切り出し、作業員の在・不在を識別する学習モデルを作成した。
2.共同研究の結果
学習時の識別精度は90%を超え、人手による作業で分類した場合と比較しても遜色ない結果となった。そのため、対象とする区画を徐々に拡大し、3区画の検証が終わったところで全12区画を対象として学習させ精度の検証を行った。その結果、検出精度の良い区画と悪い区画があったため、数週間その検証を継続することとした。
初期の学習データを取得してから数か月が経過したところで、特定の区画において検出精度が十分でなくなったため、再度学習用のデータを作成し学習を行うか、カメラの画角を調整し検出精度の高い区画と同じような画像が取得できるよう工夫する必要を感じた。