しまねソフト研究開発センターでは、IoT分野における先端技術支援や研究活動の一環として、mruby/cを使ったIoTデバイスの開発・製作を行っております。
昨今、労働安全衛生や品質管理の観点で温湿度管理が必要とされる環境が多くなっています。そこで、ITOCでは従来の手書きによる温湿度測定と記録を自動化したいというニーズに対して、簡易にデータを計測・収集するための温湿度ロガーの開発を行いましたのでご紹介いたします。
1.開発内容
mruby/cを標準搭載するマイコンボード「RBoard」に温湿度センサーを接続し、このセンサーによって温度・湿度のデータを測定し、一定時間ごとにWi-Fi経由でサーバーへ送信するもの。これにより、様々な労働環境や作業現場において、温度・湿度の環境データを自動記録(ロギング)するとともに、計測頻度を増やせば環境の変化を細かく・早期に把握できます。
2.ハードウェア
ハードウェアの構成は、温湿度センサーで取得した測定値を一定時間ごとにWi-Fi経由でサーバーへ送信するもの。温湿度センサーは、Grove規格で接続が可能な製品の中から、比較的測定確度が良いと思われるセンシリオン社製の温湿度センサーを搭載した、SeeedStudio社製101020592「Grove - I2C High Accuracy Temp&Humi Sensor(SHT35)」を選定。Wi-Fiモジュールは、Grove規格で接続かが可能な製品の中から、入手性がよくスイッチサイエンスにて購入可能なCRESCENT-014を選定。
3.ソフトウェア
本センサーは、I2Cバスを使って、測定値をデジタル値で直接取得できるため、mruby/c標準のI2Cクラスを使ってプログラミングが可能である。サーバーへのデータ送信は、http postプロトコルでREST-APIで受け付けるサーバーに対してデータ送信を行う事を想定した。
※ITOC Webサイトからサンプルプログラムを公開
4.基盤回路図
Wi-Fiモジュールの固定のため、Arduino用ユニバーサル基板を使い、半田付けでWi-Fiモジュールの取付を行っている。センサーモジュールは、Groveケーブル使ってRBoardのI2Cコネクタと接続する。
※ITOC Webサイトから基板回路図を公開