しまねソフト研究開発センター  ITOC Newsletter #95(2022.7.12) 

ITOC共同研究レポート

 

「機械学習を用いたドット文字の識別」

 

~ ITOC×株式会社アルプロン×株式会社パソナテック ~

1.取組みの背景

(株)アルプロンはプロテインをはじめ、健康食品、健康補助食品、食料品の企画、開発、製造及び販売を手掛けている企業で。当社はデジタル化を進めており、ハンディ―ターミナルの画像認識機能を活用したロット番号や賞味期限など原料情報の読み取り及びシステムへの自動入力を行い、手書きによる帳票記入の廃止、省力化を図ってきた。

 

しかし、原料のうち輸入原料は原料情報がドット文字で印字されており、且つ印字の潰れや滲みで読み取りにくいものが多く、ハンディ―ターミナルでの読み取りが困難であったため、引き続き作業者が手入力で原料情報の入力を行っていた。

 

この問題を解決するために、原料袋に印字されているドット文字をカメラで撮影し、撮影画像から機械学習を用いて文字情報の識別を試みる研究に取組んだ。

 

2.共同研究の内容

共同研究の内容としては、(株)アルプロンは、撮像機器で原料袋においてドット文字が印字された箇所を撮像し、機械学習を適用するための学習及び検証用のデータ提供を行った。(株)パソナテックは、ITOC専門研究員とともに、ドット文字を識別する機械学習のサンプルプログラムを作成し、検証及び分析を行った。

 

3.共同研究から得られた知見

(株)アルプロンは、「機械学習による識別の仕組みについて学ぶことができ、様々な作業に応用できるのではないかと感じた。食品製造業はもちろん、異業種への展開も十分に可能であると思う。昨今のDXにおいて需要がある技術だと感じた。」とのこと。

 

(株)パソナテックは、「今回のドット文字のように数字やアルファベット程度のシンプルな形状の検出であれば、今回のDlibを用いたHOG特徴量とSVMによる手法も有効であることがわかった。少ない教師データ数と少ない計算機資源で、効率よく精度が確保できることは、機械学習の適用可能性を調査する段階において有利な特性であり、応用の可能性を感じている。またデータの収集、アノテーション、前処理や精度の向上、サンプルプログラムの作成まで機械学習における一連の流れを体験できたことは非常に有益だった。」等、技術面や実務面で多くの学びがあったとのこと。

 

ITOCとしては、機械学習を用いる際の、データの収集方法、網羅性、収集頻度の分析など、PoCを進める上で必要となる様々な要素について知見を得る機会となった。

 

様々な実証の取組内容については、ぜひ「詳しくはこちら」からご覧ください。

 

厚生労働省 令和4年4月1日に新設 先週に続き詳報!
人材開発支援助成金

「人への投資促進コース」
~国民の皆様のアイデアをもとに「人への投資促進コース」を創設~

ITOCでは、先日、島根労働局職業安定部訓練室様と意見交換を行いました。そこで、県内企業の皆様にもとても役立つ情報をいただきましたのでご紹介いたします。

前回号の引き続き、厚生労働省で新設された人材開発支援助成金「人への投資促進コース」の概要についてご紹介します。今回は第2回目です。

なお、下記にも記載しておりますが、活用検討にあたっては「島根労働局職業安定部訓練室」にて電話での相談対応されるとのことですので、ご関心おありの企業様はご相談されてはいかがでしょうか。

1.「人への投資促進コース」の新設
「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」(令和3年11月19日閣議決定)において、人への投資を抜本的に強化するため、令和4年度からの3年間で4,000億円の施策パッケージを創設し、民間ニーズを把握しながらデジタル人材育成の強化等を行うことになりました。これを受け、国民の皆さまからアイデアを募集したところ、「企業の従業員教育、学び直しへの支援」や「デジタル分野など円滑な労働移動を促すための支援」などに関して提案が寄せられ、これらの提案をもとに、「人への投資促進コース」を新たに創設しました。 この「人への投資促進コース」では、以下の5つの支援メニューがあります。

① 高度デジタル人材訓練/成長分野等人材訓練
 高度デジタル人材※の育成のための訓練や、海外を含む大学院での訓練を行う事業主に対する高率助成
 ※ ITSS(ITスキル標準)レベル4若しくは3となる訓練又は大学への入学(情報工学・情報科学)

② 情報技術分野認定実習併用職業訓練
 ITIT分野未経験者の即戦力化のための訓練※を実施する事業主に対する助成
 ※ OFF-JTとOJTを組み合わせた訓練

③ 定額制訓練
 労働者の多様な訓練の選択・実施を可能とする「定額制訓練」(サブスクリプション型の研修サービス)を利用する事業主に対する助成

④ 自発的職業能力開発訓練
 労働者が自発的に受講した職業訓練費用を負担する事業主に対する助成

⑤ 長期教育訓練休暇等制度
 働きながら訓練を受講するための長期休暇制度や短時間勤務等制度(所定労働時間の短縮及び所定外労働時間の免除)を導入する事業主への助成の拡充(長期休暇制度の賃金助成の人数制限の撤廃等)

2.支給要件・申請手続きについて
 支給要件は事業主の要件、労働者の要件、訓練の要件などがあり、また、申請手続きも訓練実施前から手続きを要するものとなっています。
 詳細は以下リンク先で確認できますが、大変詳細な制度となっており、初めて利用する事業主の方は活用に躊躇する内容となっております。
 そのため、活用検討に当たっては、まずは「島根労働局職業安定部訓練室」に電話でご一報頂くようにお願いいたします。
 支給要件を満たすかどうか、申請手続きはどうすればよいかも含め、相談に応じております。

<令和4年度版パンフレット(人材開発支援助成金(人への投資促進コース))詳細版(厚生労働省HP)>

https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000922575.pdf
 
【お問い合わせ先】
 島根労働局職業安定部訓練室
 〒690-0841 松江市向島町134-10 松江地方合同庁舎5階
 電話:0852-20-7028
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学園南1-2-1 くにびきメッセ4F, 松江市, 島根県 690-0826, Japan


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