『どのように世界と出会うのか』
世界中のシュタイナースクールで使われている美しい手づくりのノートは教科ごとに色がわかれていて、本棚にならべると優しい虹色になります。
シュタイナー学校には教科書がありません。
子どもたちが自分だけの教科書として描くのが「エポックノート」です。
ノートいっぱいに描かれた美しい絵を見て「私には描けないわ~」と思っていましたが、大人のための体験授業を受けてみて納得。
どんな線を何色でどの場所に描くのか、次の線は何色でどんな線なのか、教員が黒板に描きながらひとつずつ伝えます。
一本一本の線に集中しているうちに、私の絵も自然と出来上がっていました。
子どもは自由がいいと思っていましたが、枠があるからこそ誰もが安心して集中できるのだと納得しました。
こうして線の色も描き方も決まったノートから始まる1年生ですが、少しずつ自分だけのノートになっていきます。
まず「この線は好きな色で描いてください」と自分で色を選ぶことから始まります。
4年生になると「ライオンは〇〇」というように形容詞を自分の言葉で書き始めました。
5年生では、授業の一部や学んだことを自分の言葉で文章にまとめていました。
6年生は、4週間の物理学のエポック授業すべてを自分で書く宿題が冬休みに出ました。
「4週間分?しかも物理学!?」と心配しましたが、授業は驚きと発見の連続で書きたいことがするすると出てくるようでした。
心が動けば、手も動く。日々の積み重ねのすごさを感じました。
息子の物理のノートには22ページにわたって音や光の実験方法とみんなで発見したこと、そして自作の詩が書かれていました。
音
音はとても身近なものだ
人のとなりにはいつも音がある
音は空気をふるわせて人にとどき
人を感動でふるわせる
でも その音をとどめておくことはできない
どんなに美しい音でも
つかみ続けることは出来ない
音は常に動きまわり
1点にとどまることはない
だからこそ音は
奥が深く 面白い
昔も今も変わることなく
人をおどろかせ楽しませてくれる音は
これからも人と共にあり続けるだろう