喜びを分かち合う誕生会

　円く並べた椅子の中心には、小さなテーブル。そのテーブルにはシルクの布が掛かり、その上に８本のろうそくが並んだ自然木と、それを囲む色とりどりの草花やお手紙。照明を落とした教室にライアーの音が響き始めると、その日に誕生日を祝われる子が天使役の子に手を引かれて入り、みんなの周りを回ってから席に着きます。今日は誕生会。メインレッスンを早めに終え、一人の子の誕生日をクラスで祝います。

　ろうそくに灯がともると、みんなが楽しみにしているお話が始まります。２年生では、その子の素晴らしい面を表す「光」のエピソードと、いたずらや小さな「悪さ」のエピソードを両方、保護者の方から伺っておき、お話しします。

（お話のテーマや祝い方はクラスごとに担任が考えます）

　子ども達はなんと言っても「いたずら」エピソードが大好き。人間、そして自分の内にある愚かさや醜さにも気づき始めた２年生にとって、友達のいたずらや悪さを知ることは、その子への親しみをさらに増してくれるようです。

　お話の後には、みんなでおめでとうの歌を贈り、誕生日の子がろうそくを吹き消します。そして、その子がお家の人と作ったおやつを配り、一緒にいただきます。誕生日の子は、先生やお友達からお花や手紙、プレゼントをもらうだけでなく、自分が誕生日を迎える喜びと感謝の気持ちを周りの人々と分かち合うのです。

　２学期にミカエル祭やリンゴろうそく（『アドベントガーデン』とも呼ばれるクリスマスへ向けての行事）を大満足で終えた２年生は、祝祭や「儀式」が大好きです。3学期には大きな「儀式」はありませんが、誕生会も日々の生活の中にある儀式として、目をきらきらさせて楽しんでいます。

<<学校報『プラネッツ』2019年春号より>>