小柄で構成された生地は、一見すると無地のように見えますが、単色無地には出すことのできない深みが表れます。「フェイクプレーン」と呼ばれるこうした生地は、使われる色の組み合わせが複雑で意外性があればあるほど空間に面白さと新しさを与えます。

フェイクプレーン・ベルベットの「 AURA」 は、地の織りとベルベットを格子のように組み合わせて立体感を出しています、地織りの部分は縞のように色糸を配し、ベルベットの部分も２色のパイルで構成されています。明るい色とトーンを下げた深みのある色を組み合わせることにより、レリーフのように浮き出て見える効果を狙っています。

トーン・オン・トーンの効果で、斜めから差し込む光によってとても美しい陰影が作られ、奥行きのある空間を演出します。色展開も多く、どれもハッとさせられる色ばかりです。

タイルカーペットは、敷き込み式のカーペットに対して施工性の高さが魅力です。必要幅の長いロールを設置場所に運び込ぶ手間がなく、箱詰めされたピースセットを取り出して並べることで敷き込みができ、また、一枚をはがして部分交換することも可能です。

敷き込み式のカーペットに比べて唯一の欠点は、その継ぎ目が目立つことです。市松模様のように敷きこまれたカーペットは、それをデザインの一部と捉えることもできますが、エレガントさに欠けると感じられる部分も否めません。柄などを配してカモフラージュできるデザインのタイルカーペットもありますが、依然としてラインを消し去ることはできません。

そんな視覚的欠点をカバーする、新しい発想のタイルカーペットが、フィンランドのカーペットブランド「Fletco Carpets」（フレトコ・カーペッツ）から発売されました。

▲敷きこまれた模型図（実際には線は見えません）

原理は簡単です。ピースの形をギザギザにすることで、ほとんど継ぎ目の目立たないタイルカーペットが実現しました。特許技術でレーザーカットされたエッジ同志は、ほつれることなくぴったりと適合し、またどの方向からもかみ合う形に設計されています。ピースの形は３種類の中から選べます。

ベースとなるカーペットは密度が高くやわらかな風合いの平織りで、糸はリサイクルナイロン「ECONYL」を使用しています。シンプルな北欧スタイルにマッチするダークカラーを採用し表情はとてもエレガント。同コレクションの「STELLAR LockTiles®」は、IFデザインアワード2024を受賞しています。