みなさま、あけましておめでとうございます!
ストラボ2022年メルマガは、最上志向の活かし方に
フォーカスして最上志向をTOP5にもつコーチの方々に、
それぞれの“最上志向物語”を語っていただいていました。
本当は、最上志向のフィナーレを飾る号になるはずが、
なんせタイムスケジュール組みがへったぴな森川ゆえ
気がついたら2022年が終わっているやんか!
(正月そうそう、すみません)
というわけで、2023年第一号は、最上志向のフィナーレ!
第8号、丸本昭(まるもとあきら)コーチです。
丸本コーチと8~9年前に最初にお会いした頃は、
椅子に座るときも背筋まっすぐ。よけいなおしゃべりはぜず
にこやかに皆の話は聞くけど“うなずき”がほとんどなく、
ほぼ微動だにしない姿を見て、思わずビデオに撮ってしまいました。
でも、話してみると、相手に対する思いやり、気遣いに
溢れていて、「内側は人間味と人情の方」でした。
その内側と外側のギャップ、最近は限りなく近づいていて
「きちっ、しっかり、あったか、やさしい」に。
この間、丸本コーチにいったい何が起こったのか!
ここからは丸本コーチにバトンタッチします。
◆自己紹介
丸本 昭(まるもと あきら)
株式会社オン・ストレングス 代表取締役
ギャラップ社認定ストレングスコーチ
国際コーチ連盟プロフェッショナル認定コーチ
最上志向、未来志向、戦略性、個別化、収集心
規律性、共感性、自我、親密性、目標志向
熊本県人吉市役所に入庁し、組織風土改革や人材育成に携わり、
強みを伸ばす人材育成型人事評価制度を構築。
在職中、2007年からコーチ21(現在のコーチA)
でコーチングを学び、2014年にギャラップ社でストレングスコーチに。
市役所を54歳で退職し独立。
ストレングス・コーチとして企業・公的機関の研修、
企業役員・幹部へのコーチングをおこなう。前職の経験を活かし、
早稲田大学マニフェスト研究所人材マネジメント部会幹事として、
自治体の組織改革を支援。クリフトンストレングス®を使った
チームビルディング、マネジメント向上などの企業研修を実施。
皆様こんにちは。
ストレングスコーチの丸本昭です。
市役所を退職しコーチとして独立した時に考えたキャッチフレーズは、
「ありたい姿を一緒に描き、強みの上にそれを築く」です。
今振り返ると、思い切り「最上志向×未来志向×目標志向」な
キャッチフレーズ 笑 私の資質そのものです。
そもそもはお堅い公務員。1回目のクリフトンストレングス®の結果は、
慎重さ、規律性、分析思考、個別化、収集心(順不同)で、
森川コーチから「ロボコップみたい。個別化があって良かったね。人間らしくて。」
と言われました。「失礼な人だなあ」と思いましたが、
面白かったので受け入れた記憶があります。
そんな真面目な公務員が途中で市役所を退職し、
コーチ、研修講師として独立してやっているのは、
私の2回目の結果で出てきた、1位最上志向、2位未来志向、10位目標志向
のおかげです。
(陰の声:それだけじゃなくて、8番目の自我もおっきいと思うけど。
独立独歩でプロフェッショナルとして自分の成果を出したい才能なので)
■この強みが私のエンジン
そもそもコーチングを学び始めたきっかけは、人事担当者の時に
組織にコーチングを導入したいと考えたことから。
当時の“こっそり点数をつけて人事に報告する”根暗な人事評価制度を
変えるべく、役所全体を巻き込んで「ありたい職員像」を議論し、
その職員像になるための評価項目を策定。
評価結果を本人にフィードバックするだけでなく、
管理職がコーチングスキルを使って部下の能力を引き出すような
関わり方をして欲しい。そこがスタートでした。
その評価制度自体も、全国のトップを行く自治体に話を聞きに行き(最上志向×収集心)、
日本で一番人が育つ評価制度にしようという思いが、
「親密性」で奥手な私の行動を後押ししてくれました。
緻密な評価制度を志向する人が多い中、評価項目の中で自分が強みだと
思うもの2つを本人に選ばせ、その評点を2倍で計算するという
「長所尊重型」の評価制度なんて、未だ出会ったことはありません。
そんなむちゃな制度を上司と机たたき合いながら通したのも、
こんな職場にしたいという「最上志向×未来志向」の絵があったからだと思います。
市役所職員時代の29年間で私が作ったり関わった市の計画書は、
市の基本になる総合計画から子育て支援、障がい者福祉などの個別の計画まで
大小合わせて15本くらいあります。2年に1本は作っている計算ですね。
自分でも驚きですが。
5年先、10年先にどんなまちを作りたいのかビジョンを描き、
そこに向けてのプロセスやマイルストーンを設定するのは
日常やっている思考と同じで、全く苦にならなかった…というより、
楽しい作業でした。KPI(重要業績評価指標)なんてプライベートでも設定しています。
そしていずれも、他所から視察が来るくらいレベルの高いものにしようと
ハードルをあげ続けた気がします。
(影の声:戦略性も目標志向も未来志向も最上志向も全面低位な森川は、
自分の人生に対して、未来ビジョンを描くこともなく、
マイルストーンもなく、KPIもない!ないったらない!
コーチングしてるときも、気がつくと「今」にフォーカスしてしまう。
ゆえに、ポストイットに、「未来」「目標」「狙い」「進捗確認」と書いて貼って
おいてセッションしますが、風でポストイットが飛ぶと、セッションから
未来がなくなる・・・。お正月は、未来志向や目標志向が上位のコーチを
選んでください)
■とはいえ、振り回すと周囲に迷惑をかけます
「ありたい姿」 に向けてハードルをあげ続ける資質は、
力強いだけに周囲とハレーションを起こすこともよくあります。
初めて管理職になった職場は、保健センターという出先機関でした。
市民の健康作りを担う保健師、栄養士など専門職の多い職場です。
当時いろいろ問題を抱えていて外からの評価はあまり高くなかった部署ですが、
私はとてもポテンシャルが高い人の集まりだと思っていました。
とにかく自発的によく勉強していたし、専門職だけに
仕事に対する想いが強い人が多かった。
そんな職場に赴任して最初にしたのは、全職員を会議室に集め、
「日本一の保健センターを作る」と宣言したことです。
「親密性」的に普通絶対しないことですが、職員の人達にその力はあると
思っていたし、何よりも自分の中に「ありたい保健センター像」
というものがありました。「個別化×最上志向」でひとり一人と面談し
良い点をどう活かすかを考え、
一緒に「ありたい保健センター」を目指す日々は、とても楽しい時間でした。
誕生日に手作りのバースデーケーキを作ってもらったのも良い思い出です。
しかしそんな蜜月時代も、次第に変わります。
「ありたい姿」に向けて早く変えたい、結果を出したいという欲が、
「最上志向×戦略性」をムクムクと膨らませていきます。
もっと効率的に、もっとレベルを上げるにはと自分でどんどんと動き出し、
次々にいろんな新しい事業に取り組み出す。
賛同して一緒に走ってくれる部下もいる反面、
急激に変わることでストレスを感じる部下もいます。
今なら、それが当たり前の変化のプロセスであり、
丁寧に対話することが大切だとわかりますが、
当時は「やる気のないやつ」と更に最上志向を振り回す。
段々と雰囲気が悪くなりました(そして以後、バースデーケーキは作ってもらえず)。
「最上志向×未来志向×目標志向」は「ありたい姿」に引っ張り上げるエンジンですが、
それは土台にしつつ、「個別化」「共感性」など人間関係資質を前に走らせた方が、
きっと良かったのだと思います。
(影の声: まさしく、個別化&共感性は、相手を察知し話を聞き尊重する=立ち止まる
才能なのに対し、最上志向&未来志向&目標志向の組み合わせは、高いゴールを狙う
弾道ミサイルのようなスピード感。両輪として使うと世界を変えますが、
片方ずつ使うと、ぐるぐる回ったり進まなかったりですね。
こんな体験が今の丸本コーチを作ったのかも)
■「最上志向×未来志向×目標志向」を自分に活かすために
公務員を辞めてコーチ、講師として独立したのは、
自分自身の「ありたい姿」を描き続けたからです。
コーチングを受け続け、自分がどうなりたいのかを考え続けた
と言うこともあります。しかし一番のきっかけは、自分のお気に入りの場所で、
一日かけて自分の人生を描いたことだと思います。
83歳で人生の最後を迎える時が浮かび上がり、そこから逆算して、
10年間ごとに自分がどうありたいのかをノートに書き続けました。
自分のこれからのマップを描くことで、今何をするべきかが明確になり、
その結果として、自分の人生の残りの時間を、人材育成に使っていきたいと考え
独立しました。今もその地図を持って、毎月1日カフェでの内省の時間を設け、
現在地とこれからを定期的に考えています。
この「最上志向×未来志向×目標志向」の組み合わせで、
ひとつ気をつけなければならない点があります。
それは、過去を過小評価するということです。
まず基本的に、「未来志向」で過去のことをよく覚えていない(と言うより、興味がない)。
更に「最上志向」で「このくらいしか出来てない」とつい考え、落ち込むことも多々あります。
そんな方には、コーチをつけることをお薦めします。
私も度々「全然出来てないんですよね」と言い、コーチと振り返ると、
「意外と頑張ってるじゃん」と気づくことが多くあります。
時に「まだまだ」と言い過ぎると、「最上志向の海で溺れてなさい!」と
怒られることも。
先のことに集中する資質なだけに、足下や頑張ったことをきちんと認められる
コーチングセッションは大切な時間です。
(影の声: 最上志向上位の方にデフォルトで備わっている「まだまだ出来る、もっと磨ける」
を、効果的に使うと「今までいろいろ工夫し努力して今がある、これからの伸びしろも
無限にある」と、磨き続けることを楽しめるはずですが、一方で、疲れていたり
同じグループにいたはずの仲間が1歩先に進むと焦りが出てきて、
自分をいじめることで発憤しようとする傾向があり、辛い辛い人生に。
丸本コーチが言うとおり、コーチをつけることで、黒い煙を出さずに、エネルギーを
成長と磨きに集中できますね)
■「最上志向×未来志向×目標志向」を更に更に活かしていくために
この組み合わせを自分に活かしていくためには、じっくりと考える時間が必要です。
「ありたい姿」に向けたビジョンと明確なゴールを持つことは、
グイグイ自分を引っ張ってくれますが、
そのために地図を描く時間が取れないと迷走してしまいます。
(影の声: じっくり考える時間、は、思考系、特に内省が比較的上位の方には
必要ですが、内省が下位であれば、“じっくり”は割愛してもいいかも)
また、前に進みたい想いが強い資質でもあるので、
定期的に現在位置を確認し、足下の行動を定めていきましょう。
先ほど書いたコーチングセッションの時間も、
ビジョンを描きゴールを設定したり、足下を確認する上で効果的です。
またマネージャーの方は、チームにこそ活かして欲しい資質です。
チームがどこを目指していくのか、ビジョンとゴールを明確にするのは
リーダーの役割です。より高い目標に引っ張るペースメーカーとしても
力を発揮できるのではないでしょうか。
自分で考えて決めることで完了してしまうことも多いので、
部下と一緒に考える、ビジョンやゴールを何度も伝え続ける、
ことも意識してください。
マネージャーやコーチでこの資質をお持ちだとしたら、
部下・クライアントの可能性を広げることができます。
「自分はここまでだ」と勝手に制限をかけている時に、
「もっとこんなこともできるんじゃない」と視座を上げて
可能性を広げてあげることもできます。
タイトルの、「『最上志向×未来志向×目標志向』は気球のように
自分をぐんぐん引き上げてくれる才能」 は、
ふと思い浮かんだフレーズですが、この資質のおかげで
自分の人生が変わってきました。
「気球」なのでどこに運ばれるのかわかりませんが、
その時々に「最上志向」のアンテナでビジョンやゴールを定め、
「全然出来てない!」とジタバタしながら
楽しい人生に導いてくれそうな気がします。
陰の声に戻ります。
最上志向×未来志向×目標志向の丸本コーチ物語、いかがでしたか?
そのまま使うと、空のかなたにある北極星に向かって時速200Km
で進む列車で、外の景色をなかなか楽しめない。
でも上位に併せ持っている、個別化や共感性や親密性を意識する
ことで、仲間とコラボレーションしながら前進していくことが
できる。これって素敵すぎ。
「早く行きたいなら1人でいけ、遠くに行きたいなら仲間と行け」
皆さんも、ご自分のTOP5/TOP10の資質をもう1度見て、
自分を成果に推し進める才能と、周りの人と共に助け合う才能
(人間関係資質とは限らず。学習欲も収集心も協業に使えます)
再度見直してみてくださいね。
次回からは「個別化」メルマガに! 乞うご期待。