「社会の空気」と商品企画(辰野博一 ショートエッセイ)

2020年から、専修大学経営学部の「デザインと経営」という講義に登壇しています。
専修大学准教授で商品開発論の研究者である三宅秀道先生と、私以外に実務家2名の方と、リレー形式で授業を行っています。三宅先生は、私が大学院でお世話になった早稲田大学鵜飼先生(現名誉教授)の兄弟子に当たる方です。

私の3回の担当回では、①大企業での商品企画②中小企業/スタートアップの商品企画③商品企画プレゼン大会という構成で進めています。先日第3回の授業があり、受講生にオーラルケア商品の企画のプレゼンをしてもらいました。


毎年「20代男性がターゲットのオーラルケア商品」という同じテーマを設定していますが、発表の傾向はそれぞれの年で変わります。今年はコロナが5類になり、再びマスクを外して周りと接するようになってきたタイミングという事で、ブレスケアや出先でのケアに関する商品提案が圧倒的に多かったのが印象的でした。学生の皆さんが日々の生活での実感や社会の空気を、そのまま反映した傾向なのだと思います。

一方、ターゲットである20代男性のオーラルケア行動・意識について調べていくと、そもそもあまりケア意識が高くない層である、ということに行きつきます(男性の学生達は、そもそもそのように思ったことでしょう)。そこで、オーラルケア以外のニーズを同時に解決するような提案が、主に女性の学生から何点かあり、その視点には感心させられました。


そして、男性の学生にとっては、自分自身がターゲットの商品企画なのですから、当然、自分が使いたい、買いたい、と思える商品を提案してほしかったのですが、そのように思っている学生はあまり多くありませんでした。


職能としての商品企画は、あくまでターゲットが欲しいと思うものを洞察し導出することがミッションです。ただし、自分が好きと思える企画であれば、仕様検討にもプレゼンにも当然熱が入るし、説得力も生まれてくるはず。このことは、事前には明確には伝えず、講義の行間で伝われば良いなと思ってきました。ただ、終了後に自分のプレゼンに満足できず悔しがっている学生の様子を見て、今後はもう少し伝わりやすく工夫をしたいと感じました。

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