1.エンタメ・クリエイティブ産業の海外展開等の振興に向けた「8つの不足」
① 海外で「魅せる」機会
海外でのリアル消費(マーチャンダイジングやライブ等)を拡大するため、日本企業が直接運営する大型イベントや、オールジャパンでの連携によるプロモーション機会が不足。
② 国内で「魅せる」「作る」拠点
海外ファンを日本に呼び込み、消費を拡大させるための、日本発コンテンツを楽しめる象徴的な拠点や制作拠点(ハリウッドのような場所)が大都市部および地方部において不足。また、戦略的な「聖地巡礼」の仕組み作りも不足している。
③ クリエイターの働く環境の改善、スキル向上と収入増の好循環
質の高いコンテンツを継続的に生み出すために、クリエイターの就業環境の改善、戦略的な人材育成、個々のスキルを体系的に把握するためのスキル標準などが不足。
④ 「収入ギャップ」の解消
海外売上高(5.8兆円)のうち国内企業に還元される比率が6割弱に留まる「収入ギャップ」を減らすため、ライセンスビジネスから実ビジネスへの転換や、デジタルプラットフォームとの契約内容や視聴データの透明化が求められる。
⑤ 新規技術・コンテンツの取込み
制作工程の効率化や質の高いコンテンツ創出のため、AI、VFX、バーチャルプロダクションなどの新規技術を活用できる専門人材や予算が不足。また、スタートアップや個人クリエイターの発掘・育成の取り組みも不足している。
⑥ 海外勢との戦略的提携
コンテンツに関する各国規制への対応や、国際共同製作を積極的に慫慂するための政府間連携が限定的。また、海外に比べて撮影誘致に関するインセンティブが不十分であるとの指摘がある。
⑦ 海賊版対策・正規版転換
世界で約2兆円と推定される海賊版被害への対応(国際執行の強化)に加え、海外ファンが価格面も含めて受容しやすい形(翻訳・カルチャライズの低コスト化)での正規版流通の拡大が必要。
⑧ 総合的な支援体制
日本企業が海外現地ビジネスに参画しやすくするための、海外現地情報やビジネス慣習の把握、拠点設立支援といったソフト面でのビジネスインフラ整備が不足。韓国のKOCCAのような、戦略的な海外展開支援をサポートする一元的な指令塔の創設が望まれる。 |