エンタメ・クリエイティブ産業を日本の基幹産業に②
エンタメ・クリエイティブ産業戦略では、前回お伝えした現状把握に基づき、コンテンツ産業の海外売上高を2033年までに20兆円とする目標を実現するために解消すべき「8つの不足」が特定され、具体的な方策がアクションプランとしてまとめられています。
1.エンタメ・クリエイティブ産業の海外展開等の振興に向けた「8つの不足」

① 海外で「魅せる」機会
海外でのリアル消費(マーチャンダイジングやライブ等)を拡大するため、日本企業が直接運営する大型イベントや、オールジャパンでの連携によるプロモーション機会が不足。

② 国内で「魅せる」「作る」拠点
海外ファンを日本に呼び込み、消費を拡大させるための、日本発コンテンツを楽しめる象徴的な拠点や制作拠点(ハリウッドのような場所)が大都市部および地方部において不足。また、戦略的な「聖地巡礼」の仕組み作りも不足している。

③ クリエイターの働く環境の改善、スキル向上と収入増の好循環
質の高いコンテンツを継続的に生み出すために、クリエイターの就業環境の改善、戦略的な人材育成、個々のスキルを体系的に把握するためのスキル標準などが不足。

④ 「収入ギャップ」の解消
海外売上高(5.8兆円)のうち国内企業に還元される比率が6割弱に留まる「収入ギャップ」を減らすため、ライセンスビジネスから実ビジネスへの転換や、デジタルプラットフォームとの契約内容や視聴データの透明化が求められる。

⑤ 新規技術・コンテンツの取込み
制作工程の効率化や質の高いコンテンツ創出のため、AI、VFX、バーチャルプロダクションなどの新規技術を活用できる専門人材や予算が不足。また、スタートアップや個人クリエイターの発掘・育成の取り組みも不足している。

⑥ 海外勢との戦略的提携
コンテンツに関する各国規制への対応や、国際共同製作を積極的に慫慂するための政府間連携が限定的。また、海外に比べて撮影誘致に関するインセンティブが不十分であるとの指摘がある。

⑦ 海賊版対策・正規版転換
世界で約2兆円と推定される海賊版被害への対応(国際執行の強化)に加え、海外ファンが価格面も含めて受容しやすい形(翻訳・カルチャライズの低コスト化)での正規版流通の拡大が必要。

⑧ 総合的な支援体制
日本企業が海外現地ビジネスに参画しやすくするための、海外現地情報やビジネス慣習の把握、拠点設立支援といったソフト面でのビジネスインフラ整備が不足。韓国のKOCCAのような、戦略的な海外展開支援をサポートする一元的な指令塔の創設が望まれる。

2.「コンテンツ海外展開 2.0」を実現するためのアクションプラン
「8つの不足」を埋めるため、ゲーム/映画・映像/アニメ/デザイン/漫画・書籍/アート/書店/ファッション/音楽/「みる」スポーツの10分野で、合計100のアクションプランが2025~2029年の5年間で設定されています。アクションプランの内容は、分野によって多岐にわたりますが、全体を貫く主眼となっているのは「コンテンツ海外展開 2.0」の主流モデルを実現することにあります。


従来、海外パートナーに対して著作権を廉価で販売したり、市場価格の数%の収益に留まる「ライセンスアウト型」のビジネスモデルが主流であり、リスクが低い反面、ビジネスの規模が限定的でした。これに対し、「コンテンツ海外展開 2.0」では、日本企業がリスクを取って直接卸や小売に乗り出すことで、ビジネスのサイズを大きくし、収益性を向上させることを目指しています。また、この「コンテンツ海外展開 2.0」が進展することで、コンテンツ産業が海外で構築するバリューチェーンやファン層は、他の消費財産業にとっても「海外展開プラットフォーム」として機能することが期待されています。

 

そして、具体的には、以下のような要素を含みます。

 

①デジタルプラットフォームを「宣伝効果」として活用する
デジタルプラットフォーム(ストリーミングサービス等)の登場により、日本発のコンテンツは世界中で購入・視聴されるようになった。これにより、海外の一般層にもファンが継続的に生まれている。「コンテンツ海外展開 2.0」では、このデジタル配信によるコンテンツの流通を、新たなファン層(ファンダム)を作り出すための一種の「宣伝効果」として戦略的に捉えたうえで、海外における実ビジネスの収益性を追求する。

 

②海外における「実ビジネス」を通じて収益を確保する
• 現地拠点の構築と連携:日本のコンテンツ企業が海外に直接拠点を構築し、現地でビジネス展開している他の日本企業等とも連携する。
• ライブイベントや物販の直接実施:リスクを取って、自らライブイベントやグッズ類の物販等を直接実施し、収益の確保とファン層の拡大・定着を図る。
• 流通への参入:コンテンツの魅力を強みとし、海外現地における流通(映画における配給や、マーチャンダイズの卸や小売等)に直接乗り出す。

<参考URL>
経済産業省ホームページ「エンタメ・クリエイティブ産業戦略 ~コンテンツ産業の海外売上高20兆円に向けた5ヵ年アクションプラン~」  詳しくはこちら→
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