内閣総理大臣賞を受賞した「Voice Retriever」は、喉頭摘出などで声を失った人が「もう一度話す」という、ニッチながらも切実なニーズに対し、大学の知見と複数の民間企業が連携して挑んだプロジェクトです。 2030年は2万人の使用を想定しています。
また、医師や農家といった「現場」の着想からスタートし、技術を最適化させていく臨床・現場主導型の取り組みも目立っています。
(医療分野)科学技術政策担当大臣賞の「ヴァスガイド」は、ロボット手術における医療安全性を高めるため、医師の臨床経験から生まれたデバイスです。厚生労働大臣賞の「ブルーラジカル P-01」も、歯科医師が中心となり、世界初の歯周病治療器と行動変容アプリを組み合わせて上市しています。
(農業分野) 農林水産大臣賞の「スカブター」は、養豚農家の負担軽減のため、見るだけで体重を推定するメガネ型デバイスを開発しました。選考委員会特別賞のスマート農業モデル(JAつべつ×北見工大)も、寒冷地特有の課題を地域一体で解決する姿勢が示されています。
「組織の壁を越えた」連携が必要なオープンイノベーションは、連携する各主体が、外部の知見を積極的に取り入れ(インバウンド)、自社の知見も外部に開放する(アウトバウンド) 姿勢を持つことが重要となりますが、それは多くの組織にとって容易なことではありません。そのハードルを乗り越え、成果を生み出したプロジェクトは、大いに評価されるべきでしょう。 |