①企業の存在意義まで遡って考える(思考を広げる視点)
前回までのメルマガでも触れてきた通り、デザイン経営の要諦は、会社の⼈格形成フェーズまで遡って企業の価値観や存在意義を再定義することであり、デザイン⼈材は、本質的な課題発⾒をする以前のプロセスとして、会社の⼈格形成のフェーズまで踏み込むことが求められます。定量的に企業が置かれている状況等を分析するだけでなく、経営者や社員との対話を通じて定性的にもつ企業の価値軸や存在意義を発掘したり、その過程で関係者間の理解や共感を促すことに貢献できます。
②⼈を起点に考える(対象の視点)
デザイン思考でも⾔われるユーザー起点という観点はデザイン経営の取組においては、 ユーザーを「⼈」と解釈して、経営者や社員、顧客など企業を取り巻くステークホルダーまで対象を広げて考える視点が必要です。この視点は会社の⼈格形成フェーズにおいても、 企業⽂化の醸成フェーズにおいても、価値の創造においても⼀貫して有すべき視点であり、 「⼈」を意識することで社内外に企業の存在意義をストーリーとして伝播させること、すな わち共感と腹落ちを促すことに貢献できます。
③腹落ちを促すための可視化する⼒と、数多く試す⾏動⼒(⾏動と表現の視点)
本質的な課題発⾒と課題解決について、デザイン思考においてはたくさんのアイデアを発散させながら、思考を収束させていく「ダブルダイヤモンドモデル」が知られています。このモデルを活用して、関係者との対話で⽣まれるアイデアを、グラフィックやデッサンなど、何らかの形で具現化したプロトタイプを⽤いて、ステークホルダーに「可視化」させることで、関係者の腹落ちと共感や合意形成を促していくことに貢献できます。また、これらの取組はアジャイルに取り組むことが期待されます。可視化したプロトタイプをつくりテストし、そのフィードバックを受け、またプロトタイプをつくるという⼀連のサイクルをクイックに回すことで、関係者間の腹落ちと共感に必要なポイントを探り出すことができ、そのポイントを踏まえた新たなプロトタイプで、さらに関係者間の腹落ちと共感、合意形成を促進できる可能性があります。