デザイン人材が取り組む伴走支援

前回のメルマガでは、デザイン経営の中小企業支援策としての活用について取り上げましたが、中小企業支援に関しては、近年「伴走支援」という言葉がよく聞かれるようになっています。

 

中⼩企業庁は、伴⾛⽀援の在り⽅として、従来⽀援対象としての意識が薄かった「課題設定プロセス」を、課題解決策の検討プロセス等と同様、あるいはそれ以上にしっかりと⽀援することを求めています。あるべき中⼩企業伴⾛⽀援の姿を「経営⼒再構築伴⾛⽀援モデル」として整理し、経営課題の設定のための⽀援を強化すること、経営改善や成⻑のために実⾏していくべき⽅針の内容に経営者が「腹落ち」することにより企業の潜在⼒を引き出すことを求め、その手法としての「対話」を重視しています。

「課題『発⾒』型伴⾛⽀援のフローチャート」

2022年に独立行政法人経済産業研究所が発行した「中小企業におけるデザイン導入の支援モデル構築」では、経営⼒再構築伴⾛⽀援モデルの「課題設定」に対してデザインアプローチの活⽤を提案していますが、一方で、これまでの経営伴走と、デザイン人材の違いについて、以下のように整理し、デザイン人材の「課題設定」への貢献、さらには「課題解決」への貢献可能性を示しています。

デザイン経営のフローと「ダブルダイヤモンド」

①企業の存在意義まで遡って考える(思考を広げる視点)
前回までのメルマガでも触れてきた通り、デザイン経営の要諦は、会社の⼈格形成フェーズまで遡って企業の価値観や存在意義を再定義することであり、デザイン⼈材は、本質的な課題発⾒をする以前のプロセスとして、会社の⼈格形成のフェーズまで踏み込むことが求められます。定量的に企業が置かれている状況等を分析するだけでなく、経営者や社員との対話を通じて定性的にもつ企業の価値軸や存在意義を発掘したり、その過程で関係者間の理解や共感を促すことに貢献できます。

 

②⼈を起点に考える(対象の視点)
デザイン思考でも⾔われるユーザー起点という観点はデザイン経営の取組においては、 ユーザーを「⼈」と解釈して、経営者や社員、顧客など企業を取り巻くステークホルダーまで対象を広げて考える視点が必要です。この視点は会社の⼈格形成フェーズにおいても、 企業⽂化の醸成フェーズにおいても、価値の創造においても⼀貫して有すべき視点であり、 「⼈」を意識することで社内外に企業の存在意義をストーリーとして伝播させること、すな わち共感と腹落ちを促すことに貢献できます。

 

③腹落ちを促すための可視化する⼒と、数多く試す⾏動⼒(⾏動と表現の視点)
本質的な課題発⾒と課題解決について、デザイン思考においてはたくさんのアイデアを発散させながら、思考を収束させていく「ダブルダイヤモンドモデル」が知られています。このモデルを活用して、関係者との対話で⽣まれるアイデアを、グラフィックやデッサンなど、何らかの形で具現化したプロトタイプを⽤いて、ステークホルダーに「可視化」させることで、関係者の腹落ちと共感や合意形成を促していくことに貢献できます。また、これらの取組はアジャイルに取り組むことが期待されます。可視化したプロトタイプをつくりテストし、そのフィードバックを受け、またプロトタイプをつくるという⼀連のサイクルをクイックに回すことで、関係者間の腹落ちと共感に必要なポイントを探り出すことができ、そのポイントを踏まえた新たなプロトタイプで、さらに関係者間の腹落ちと共感、合意形成を促進できる可能性があります。

<参考URL>
独立行政法人経済産業研究所「中⼩企業におけるデザイン導⼊の⽀援モデル構築」2022年  詳しくはこちら→
中小企業庁「経営力再構築伴走支援の全国展開」2022年  詳しくはこちら→
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