役割と性格を持つAI
先週のブログでは、「AI役員」の登場について紹介しましたが、今度は経営分析を行うAIに「役割」と「性格」 を持たせられるシステムが登場しました

野村総合研究所(NRI)は、AIによる「多視点分析システム」を開発したことを発表しました。これは、利用者が設定した役割や性格に基づき、AIが多様な視点からデータを解説するシステムです。

 

従来のAIによるデータ分析では、「誰の視点からの意見か」が不明確であるため、利用者が自身の立場や目的に照らして解釈しにくいという課題がありました。例えば、同じ売上データでも、経営層が求める中長期的な示唆と、現場担当者が必要とする短期的な対策では、求める回答が異なります。

 

NRIが開発した本システムは、この「視点の不明確さ」という課題を解決するため、AIに「役割(ペルソナ)」と「性格」を持たせ、利用者が求める視点からの分析コメントを生成します。これにより、利用者は優秀なアドバイザーと対話しているかのように、自身が求める視点から深い洞察を得ることが可能になります。

 

本システムには、NRIの独自技術(特許出願中)により、以下の3つの特長的な機能が実現されています。

1. 役割(ペルソナ)の選択機能:利用者が「経営層」「経営アナリスト」「ステークホルダー」といった役割を選択するだけで、AIがその立場になりきってデータを分析します。これは、各役割の思考様式を模倣するプロンプト技術と、公開情報や企業の社内文書、議事録などを含む補足情報データベースを組み合わせることで、より一貫した回答を提供します。
2. 性格のチューニング機能:各役割の性格について、例えばポジティブさとネガティブさの比率などを、利用者が自由に調整できます。これにより、「より慎重なアナリスト」や「より楽観的な経営者」など、組織の文化や個人の思考スタイルに合わせた柔軟なカスタマイズが可能です。
3. 自然言語による対話型の深掘り分析:AIの解説に対して、利用者が自然言語で質問(例:「この数値が変動した背景を詳しく教えて」)すると、AIが追加のグラフを自動生成し、思考を中断することなくデータの深掘りを高速化します。
(図)3つの機能
本システムは、分析ダッシュボード型の独立したアプリケーションとして、または既存の情報分析システムにモジュールとして追加導入できるように設計されています。NRIは、この多視点分析システムを通じて、データ活用の高度化と迅速な意思決定を支援し、企業価値向上に貢献していく方針といいます。
生成AIでデータ分析を行うメリットの1つは、人間のような「バイアス」を持たずに分析/判断を行うことにあります。一方、例えば経営者がこのシステムを活用することを想定すると、経営者と似た性格で経営者に同調するような性格を選ぶのか、経営者と違った性格で経営者に意見するような性格を選ぶのかなど、経営者の判断に委ねられ、そこにバイアスが生じる可能性はないのか、気になるところです。AIにいわば「人格」を持たせるような動きが今後広がるのか、注目されます。
<参考URL>
株式会社野村総合研究所 2025年9月4日ニュースリリース  詳しくはこちら→
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