生成AIを活用した学習プラットフォーム

認定NPO法人ノーベル(大阪市中央区)は、生成AIを活用した訪問保育者向けの学習プラットフォーム「ノーベル先輩」の試験運用を今年1月より開始しています。ノーベルは、訪問型病児保育、ひとり親・障がいのある子ども家庭支援などを提供しています。訪問型病児保育については延べ24,000件のの実績を持っており、この蓄積を活用してプラットフォーム構築を行ってきました。

現場にある経験知やノウハウの多くは属人化しやすく、組織全体で共有することが難しい傾向があります。生成AIの活用は、こうした経験値やノウハウを、再現性のある知識へと資産化(ナレッジ化)する役割を果たします。 今後、業種を問わず、様々な現場での活用が大いに期待されます。

訪問型保育現場の課題
共働き世帯が全国で約7割となり、病児保育、送迎時の見守り、在宅ワーク時の保育など、訪問保育のニーズは増加傾向にあります。しかし、訪問型の保育現場は施設型と異なり、家庭環境がすべて異なり、保育に最適化されていないため、環境的なリスク要因も様々です。また、保育者が単独で活動することが多く、多くの事柄にひとりで考え対応することが求められ、孤独感を感じやすい特性があります。ノーベルが2023年に実施した調査によると、訪問保育者には「安定した勤務・収入」「バックアップ体制」「学びの機会」「仲間・相談先」など6つの課題があり、特に「学びの機会」の確保が重要視されています。

ソリューション 
そこで、ノーベルは、長年の保育現場で培われた知見を体系化し、保育者がいつでもどこでも学びつながることを可能にした「ノーベル先輩」を開発しました。これは、保育現場の不安や課題を質問・相談し、ヒントを得てすぐに実践につなげられる支援ツールです。このプラットフォームの基盤となっているのは、15年間の膨大なノウハウを25のパターンに体系化した「パターンランゲージ」など、ノーベルがこれまで実施してきた学びの仕組みです。試験運用では以下の3つの機能を搭載しています。

①ノーベルの保育ルールを調べる:解熱剤の使用方法など、判断に役立つ情報(注意事項含む)を提示。

②保育での困りごとを解決する:特定の状況や子どもの様子に合わせた声掛けや工夫例を提示し、パターンランゲージに基づいた実践事例を参照可能とする。

③こどもの特性や発達について調べる:発達段階ごとの特徴や発達障がいに関する情報の提供。 保育者が質問すると、パターンランゲージに紐づいた実践事例を含む複数の選択肢が「先輩からのアドバイス」のように提示され、保育者はこれをヒントに自ら判断し実践に活かすことを目指しています。
期待される効果
本プラットフォームの実用化により、保育のヒントを得て自ら考え実践する保育者が増え、質の高い保育をより多くの家庭に提供することが可能になります。将来的には、ノーベル以外の訪問保育者にも活用を広げる予定で、質の高い信頼される保育を実践できる担い手を増やし、子育て家庭がよりサポートを活用しやすい社会を目指します。
また、ノーベルは子育て家庭向けの伴走型支援サービスの提供も開始しますが、モニター家庭の支援データ(アセスメント情報・支援記録・変化の軌跡)をもとに、ガイドアシスタントAIの開発を進めています。このAIは、面談内容やアセスメント結果から、 「この家庭には、どんな関わり方・どんな提案がフィットするか」 をリアルタイムでサジェストし、高いスキルが必要とされるガイドの知見を“誰もが使える支援知能”として展開し、サービスの再現性と拡張性を飛躍的に高めることを目指しています。
<参考URL>
認定NPO法人ノーベル
2025年1月30日プレスリリース  詳しくはこちら→
2025年8月27日プレスリリース  詳しくはこちら→
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