年末年始のビジネス雑誌・新聞では、新しい年の展望について特集されるのが恒例となっています。そうした特集記事から、気になるビジネスのキーワードをピックアップしていきます。
今週は「『不足経済』への対応」です。
週刊東洋経済の2023年12/23-30号の「2024大予測」では、「『不足経済』が日本を覆う」という見出しで、人手不足やトラックドライバー不足、医師不足、薬不足などが取り上げられ、産業・企業への影響が予測されています。
特に、人手不足については、「2024年問題」として、これまでも注目されてきました。多くの業界ですでに導入されている時間外労働の上限規制について、労働力不足を理由に例外的に猶予されてきた物流・建設・医療といった業界でも、今年4月から適用が始まります。この規制の導入により、サービス供給量の減少や品質の低下を始めとする様々な問題が懸念されています。
特に物流業界への適用開始は、多くの企業活動や消費生活に直接的な影響を及ぼすと予想されています。物流コストの上昇は、財やサービスの最終価格の上昇をもたらす可能性があります。また、サプライチェーンが遅延し、製造業の調達の遅れや小売業の仕入れや顧客への配送の遅れなどがリスクとして出てきます。
企業経営者は、こうした変化を考慮に入れて事業計画を見直し、日常業務のオペレーションを管理する必要があります。物流コストの増加やサプライチェーンの遅延は、企業活動において制御が難しい「外部環境」の変化です。経営者としては、制御できない変化を嘆くよりも、変化に関する情報をいち早く把握し、自社で可能な対応策を見つけて取り組むことが重要です。
対応策として、例えば、コストの上昇やリードタイムの長期化といった変化に対して、デジタル化が進んでいない企業であれば、デジタル化に投資することで影響を緩和できる可能性があります。値上げを余儀なくされる場合は、顧客との丁寧なコミュニケーションによって、理解を求めなければなりません。
そして、今日の不足経済の「不足」の多くは、供給サイドの不足であるため、需要とのギャップによって価格上昇(インフレ)を引き起こすものとなります。事業経営にあたり、デフレマインドからの決別を強く意識することも重要といえそうです。