年末年始のビジネス雑誌・新聞では、新しい年の展望について特集されるのが恒例となっています。今年も、そうした特集記事から、気になるビジネスのキーワードをピックアップしていきます。
ドラッグストア業界は、市場拡大と業界再編の転換期を迎えています。市場拡大については、コロナ禍で他の小売業が一時伸び悩みを見せる中、マスクや感染症対策品を取り扱うドラッグストアは売上の成長が続き、コロナ禍後も成長を続けています。2025年には10兆円を超えることが見込まれ、スーパー(約13兆円)、コンビニ(約11兆円)に迫る勢いにあります。売上高の伸びをけん引するのは医薬品と食品の2分野です。ドラッグストア業界においては、低価格の食品販売で集客し、医薬品や化粧品の販売で利益を稼ぐ「フード&ドラッグ」が、新たな成長戦略となっています。
業界再編については、2024年2月、業界1位のウエルシアホールディングスと2位のツルハホールディングスが、経営統合に向けた協議を開始したことを発表しています。両社が経営統合すれば、売上高2兆円規模の巨大ドラッグストアが誕生することになります。規模を生かして新しいビジネスモデルを生み出すことができるのか、注目されています。また、調剤薬局大手をM&Aして売上高1兆円超えが見込まれるスギホールディングスの例もあり、「フード&ドラッグ」戦略同様、他業界にもまたがっての成長志向が見られます。
スーパー・コンビニ業界は、主力製品である食品の価格高騰などを受け、新規出店に苦慮する状況が見られます。一方、物価の高騰や医療費の増大など一見して逆風にも思える社会情勢の中でも勝ち筋を見つけ成長を続けているドラッグストア業界は、今後も動向が注目される業界といえます。