苦戦する日本のゲーム業界
一方、ゲーム業界は開発費の高騰という大きな課題に直面しています。高度なグラフィックや複雑なゲームシステムが求められるようになり、開発期間も長期化する傾向にあるため、開発費は増加の一途を辿っています。業界内からは「今はヒットさせるには100億円は必要」との声もあります。この開発費の高騰は、資金力のある大手企業でなければ、新規参入を阻む大きな障壁となっています。
そして、かつて世界をリードしていた日本のゲーム業界は、近年、苦戦を強いられています。海外のゲーム開発会社の台頭、特に中国企業の躍進が著しく、競争が激化しているためです。昨年は、中国で開発された大型アクションRPGが、アジアを中心に大ヒットし、国産ゲームの脅威となっています。
また、eスポーツについても、日本はソニーグループや任天堂などを抱える世界有数のゲーム大国という「地の利」がありながら、2024年の日本の市場規模は194億5400万円にとどまり、この5年で3倍以上に伸びたものの、米国(約1,400億円)の6分の1に過ぎません。eスポーツで出遅れた一因が、「本来のスポーツとは娯楽や遊び全般を指すが、日本では競技の意味合いが強い」という、古いスポーツ観にある、との指摘もあります。
eスポーツは23年の杭州アジア大会で正式競技となり、将来的なオリンピック種目となることが取りざたされていることもあり、ようやく国内のスポーツ界や官庁も動き出しています。昨年6月に日本オリンピック委員会がJeSU(日本eスポーツ連合)を準加盟団体に承認しました。また、スポーツ庁は25年度予算の概算要求で、選手を支援する手法の開発などに新規で1億円を盛り込んでいます。「新たなファンを増やす点で国内のスポーツ振興につながる」ことを期待しているといいます。