2025年・ビジネスの注目キーワード④「ゲーム市場のグローバル成長と国内市場の苦境」

年末年始のビジネス雑誌・新聞では、新しい年の展望について特集されるのが恒例となっています。今年も、そうした特集記事から、気になるビジネスのキーワードをピックアップしていきます。

 

世界のゲーム市場規模は、2021年の約22兆円から2025年には約30兆円に達すると予測されており、依然として成長を続けています。スマートフォンゲームの普及やeスポーツの隆盛、ゲーム実況配信の拡大などにより、ゲームのプレイスタイルが多様化していることが、この成長を支えています。eスポーツは競技性の高さや観戦の面白さから人気が高まっており、今後の市場拡大の鍵を握ると考えられています。

苦戦する日本のゲーム業界

一方、ゲーム業界は開発費の高騰という大きな課題に直面しています。高度なグラフィックや複雑なゲームシステムが求められるようになり、開発期間も長期化する傾向にあるため、開発費は増加の一途を辿っています。業界内からは「今はヒットさせるには100億円は必要」との声もあります。この開発費の高騰は、資金力のある大手企業でなければ、新規参入を阻む大きな障壁となっています。

 

そして、かつて世界をリードしていた日本のゲーム業界は、近年、苦戦を強いられています。海外のゲーム開発会社の台頭、特に中国企業の躍進が著しく、競争が激化しているためです。昨年は、中国で開発された大型アクションRPGが、アジアを中心に大ヒットし、国産ゲームの脅威となっています。

 

また、eスポーツについても、日本はソニーグループや任天堂などを抱える世界有数のゲーム大国という「地の利」がありながら、2024年の日本の市場規模は194億5400万円にとどまり、この5年で3倍以上に伸びたものの、米国(約1,400億円)の6分の1に過ぎません。eスポーツで出遅れた一因が、「本来のスポーツとは娯楽や遊び全般を指すが、日本では競技の意味合いが強い」という、古いスポーツ観にある、との指摘もあります。

 

eスポーツは23年の杭州アジア大会で正式競技となり、将来的なオリンピック種目となることが取りざたされていることもあり、ようやく国内のスポーツ界や官庁も動き出しています。昨年6月に日本オリンピック委員会がJeSU(日本eスポーツ連合)を準加盟団体に承認しました。また、スポーツ庁は25年度予算の概算要求で、選手を支援する手法の開発などに新規で1億円を盛り込んでいます。「新たなファンを増やす点で国内のスポーツ振興につながる」ことを期待しているといいます。

任天堂は成功できるか
こうした状況で、今年注目されるのが「ニンテンドースイッチ」の後継機です。任天堂は1月16日、後継機「Nintendo Switch 2(ニンテンドースイッチツー)」を2025年に発売すると発表しました。2017年3月のスイッチ以来、約8年ぶりの新型ゲーム機発売となります。公開された写真からは、現行のスイッチと比べてサイズが大きくなることが予想されます。ゲーム機に欠かせない画像処理半導体や電子部品の価格が高騰している中でどのような価格設定になるのか、新しいビジネスモデルの提案があるのかなど、具体的な仕様はまだ明らかになっていません。詳細は、4月2日に発表される予定です。

 

また、トランプ政権の誕生で多くの産業がその影響を慎重に見極めているところですが、ゲームや映像などのコンテンツ産業は新政権下で警戒される関税策の影響を受けにくいとの評価から、株式市場においても今後成長がより一層期待されることになりそうです。新機種の発売が、日本のゲーム業界、ゲーム市場にとって結果的に明るいニュースとなるのか?注目されます。

(参考)
東洋経済新報社「週刊東洋経済 2024年12月28日・2025年1月4日 新春合併特大号」
日本経済新聞電子版2025年1月17日「任天堂、Switch2を25年発売『独自の遊び方にこだわる』」  詳しくはこちら→
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