世界最大規模のテックイベントであるCESが、今年は1月6日から9日まで行われました。CESでは、グローバルなテック企業による展示のほか、キーパーソンによるスピーチも数多く行われます。今回注目を集めたキーノートスピーチの1つが、 マッキンゼーのグローバル・マネージング・パートナー(実質トップ)であるボブ・スターンフェルズ氏の「AI時代に人間が優位性を持つ3つのスキル」についての言及です。
現在マッキンゼーでは2万5,000のAIエージェントが稼働しており、昨年だけで150万時間の作業削減と250万点のグラフ作成を実現し、コンサルタントはより複雑な課題に集中できるようになっている、と語りました。そして、AI時代において人間が勝てる、あるいはAIには代替できないスキルとして以下の3つを特定しました。
①The ability to aspire:志を抱く能力(正しく目標設定し、周囲を巻き込む力)
②Judgement:判断力(確固たる価値観や社会規範を踏まえたAIを活用する力)
③True creativity:真の創造性(既存の概念にとらわれず、新しいアプローチを取る力)」
人間に求められる「スキル」は日々変化する
AI時代に求められるスキルについては、行政においても議論がされてきました。例えば、経済産業省では、デジタル時代の人材政策に関する検討会での議論を踏まえ、「生成AI時代のDX推進に必要な人材・スキルの考え方2024」 ~変革のための生成AIへの向き合い方~ をとりまとめ、その中で、求められるスキルを次のように整理しています。
・ビジネスアーキテクト:選択肢から適切なものを判断する選択・評価する力
・デザイナー:独自視点の問題解決能力、顧客体験を追求する姿勢
・データサイエンティスト:利活用スキル(使う、作る、企画)、背景理解・対応スキル(技術的理解、技術・倫理・推進の各課題対応)
・ソフトウェアエンジニア:AIスキル(AIツールを使いこなす)、上流スキル(設計・技術面でビジネス側を牽引)、対人スキル
・サイバーセキュリティ:AI活用の利益とリスク評価、社内管理スキル、コミュニケーションスキル
これらのスキルが、現時点でも重要であることは言うまでもないものの、この1年半の生成AIの進化によって、そのスキルの一部も生成AIに任せることができるようになっており、そのスピードは当時の想定よりもはるかに速いといえます。スターンフェルズ氏が指摘する「AIには代替できないスキル」は、果たしてこれからも人間にしかできないことであり続けるのか?今後も問われ続けるテーマになるでしょう。 |