AI×ロボティクスに勝機はあるか

ソフトバンクグループ株式会社は、スイスのABB社のロボティクス事業を総額53.75億米ドルで買収する契約を締結したことを発表しました。ABBのロボティクス事業は、高い信頼性と卓越した性能によって世界的に評価されるブランドであり、強固な販売チャネルと幅広い顧客基盤を有しているといいます。

 

ソフトバンクは現在、人類の進化に資するASI(人工超知能)の実現を使命に掲げており、その実現に不可欠な①AIチップ、②AIロボット、③AIデータセンター、④電力の4分野において積極的な投資と事業展開を進めています。今回の買収の目的は、AIロボット事業を飛躍的に強化することにあります。

 

また、グループの孫代表は、ソフトバンクグループの次のフロンティアは『フィジカルAI』である、と述べています。フィジカルAIとは、現実の物理環境と直接関わりながら、人間のように柔軟に対応し、状況に応じて自律的に行動を変えられるAI技術を指しています。

日本のAIロボティクス戦略
この買収が発表されたちょうど同じ日、経済産業省が主催したAIロボティクス検討会が、「日本のAIロボティクス戦略の方向性の骨子」を発表しました。
資料で示されたAIロボティクス戦略の方向性は、日本の構造的な人手不足の解消と、AIロボット産業を新たな中核産業として飛躍させることを目的としています。主要な戦略の柱は以下の通りです。

1. 供給側とサプライチェーンの強化:AIの高度化とSDR(Software Defined Robot:ロボットの機能をハードウェアと分離し、ソフトウェアで定義・更新する設計・運用モデル)への移行を見据え、国産OEMメーカーやSIerを育成する。経済安全保障の観点から重要なハードウェアコンポーネントやソフトウェアスタックを特定・支援し、オープンな水平分業型の産業構造への移行を促す。

 

2. 需要側の開拓と導入環境整備:製造、医療・介護、農業等のロングテール領域を特定し、経済的インパクトや導入可能性を踏まえたロードマップを策定する。本格導入に向け、安全基準の整備や認証制度の検討を進める。

3. 技術と基盤モデルの開発:「認識」「計画」「制御」が統合されたAIエンジンを開発し、多様なニーズに対応できる多用途ロボットを実現する。ティーチングカスタマーと連携してデータを収集・加工し、汎用的な国産ロボット基盤モデルの開発サイクルを高速化する。

 

4. CoEの整備:世界トップクラスの人材と情報が集まるAIロボティクスのCenter of Excellence(CoE:中核的研究拠点)を日本国内に整備し、開発・検証・試験設備を活用した物理的・サイバー的な協業環境を提供する。
AI開発では遅れを取っている評価を受けている日本ですが、元々強みを持つものづくり分野とAIの融合で実現する「フィジカルAI」「AIロボティクス」の分野に勝機を見出そうとしています。また、国際的に見て労働生産性が低いと言われる現場に恩恵をもたらすことができるのか、注目されます。

<参考URL>
ソフトバンク株式会社 2025年10月8日プレスリリース  詳しくはこちら→
経済産業省ホームページ 「AIロボティクス検討会 とりまとめ」2025年10月8日  詳しくはこちら→
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