【基本計画の骨子概要】
AIを活用する上で、メリットである「イノベーションの促進」を享受しつつ、リスク対応と両立させる。AIの利活用は、人口減少、国内投資不足、賃金停滞といった長年の課題解決に加え、健康・医療、防災を含む安全・安心な国民生活、安全保障や平和構築、そして新たな産業・市場の創造に貢献することが期待されます。一方で、差別・偏見の助長、犯罪への利用、プライバシー侵害、偽・誤情報の拡散、雇用の変化に伴う経済不安といったリスクに対しては、適時適切に対応し、人間の尊厳を損なわないよう努める。
そして、政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策は、以下の4つの基本的な方針に基づく。
1. AI利活用の加速的推進: 政府機関や社会課題解決においてAIを率先して「使ってみる」ことを促し、社会全体でのAI技術の積極的利活用、データの集積・活用・共有を推進する。また、AI利活用を前提とした規制や制度の見直しを先導的に進め、医療、介護、防衛、地域産業など多様な分野でのAI導入を支援する。
2. AI開発力の戦略的強化: 国内で信頼できるAIエコシステムを構築し、これを海外にも積極的に展開する。質の高い日本語データの整備・拡充、国内外のトップ人材の集約、AIデータセンターや高性能AI半導体の開発といった利用基盤の増強・確保を通じて、日本のAI開発能力を強化する。
3. AIガバナンスの主導: AIの適正性を確保するため、PDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを構築し、絶えず適正性を検証する。国境を越えるAIの特性を踏まえ、「広島AIプロセス」を主導してきた日本が国際的なガバナンスにおいても引き続きリーダーシップを発揮する。AIセーフティ・インスティテュート(AISI)の強化や国際規格策定への参画、軍事領域に関するAIの議論への積極的な参画も進める。
4. AI社会に向けた継続的変革: 「人とAIの協働」を前提に、産業、雇用、社会の仕組みを先導的かつ継続的に変革する。「アドバンスト・エッセンシャルワーカー」のようなAIの利活用や開発ができる人材の育成・確保を促進するとともに、AI社会を生き抜く「人間力」の向上を図る。雇用の変化(代替性・補完性)に関する調査・分析と包括的な対策を継続的に実施する。