ソフトバンクグループ(SBG)が、2024年9月25日からSBGの10社で働く希望する社員に対し、9月分の給与がPayPayを介しての支払いを行いました。これは日本で初めての大規模なデジタル給与払いの試みとなります。
デジタル給与払いは、まずSBGグループ内で導入され、その後、他の企業にも広がっていく予定です。すでに、ニチガスやサカイ引越センターなどがこのシステムの導入を準備しており、2024年内に多くの企業がPayPayで給与を支払うことを目指しています。
PayPayでの給与受け取りにはいくつかの条件があり、1回の給与の上限は20万円です。これは不定期な仕事や複数の雇用形態を持つ労働者にも適応しやすく、多様な働き方を支援する狙いもあります。導入企業の手間を少なくするため、導入企業の従業員向けにバーチャル口座をPayPay銀行に作ることで、企業にとっては振込先を変える作業だけでよく、追加のシステム改修やPayPayとの契約は不要です。また、従業員も実際にはPayPay銀行に口座を開く必要はありません。
PayPay以外にも、給与デジタル払いへ対応するための申請を行っている資金移動業者は複数あり、今後も拡大していくことが予想されます。PayPayの給与には利息がつかないため、銀行預金と競合することはなく、ポイント経済圏との連携できる資金移動業者が、経済圏の拡大のため参入を狙っています。
また、「スキマバイトアプリ」として知られるタイミーや、C2C(個人間取引)のフリマアプリとして知られているメルカリが2024年3月に開始した空き時間おしごとサービス「メルカリ ハロ」などのワークシェアリングサービスも、若年層を中心とする就業者の利便性を高めるために給与デジタル払いの実現を目指すとみられます。定常的な人手不足の中、こうした利便性の向上で労働力の流動性をさらに高める後押しともなるのか、注目されます。