【特集:パッケージデザインの力⑥】Apple製品におけるパッケージの役割
世界中にファンを持つAppleの製品は、パッケージでもたびたび話題をさらっています。

・日本では2008年(3G)から発売されているiPhoneシリーズでは、高級感のあるパッケージが注目されています。iPhoneのパッケージ形態は「貼り箱」という、ボール紙などで出来た硬い板紙で箱の構造体となる下地を作り、その上から薄手の化粧紙を貼る形式のものです。1枚の厚紙や段ボール紙を組み立てるだけで作る「組み箱」と呼ばれる箱と比較して剛性があり、箱の精度が高くなります。さらに、上に貼る化粧紙によって質感や箱の印象を自在に変えられることから、贈答用の菓子やジュエリーなど、国内外の高級ブランドの商品パッケージに多く使われます。

 

・昨年発売されたiPhone15のパッケージでは、99%がファイバー素材であり、100%再生された木材繊維または責任ある方法で調達された木材繊維を使っています。プラスチック使用の削減を志向しており、箱を包むプラスチックフィルムも、これまで通り使用していません。製品本体では、筐体に75%再生アルミニウムを使用、バッテリーに100%再生コバルトを使用するなど再生素材の使用を促進していますが、パッケージもこれに呼応しています。

 

・今年5月に発売されたApple Pencil Proは、パッケージデザインは5種類あることが話題となっています。
Appleの創業者スティーブ・ジョブズ氏は、パッケージデザインに関する特許8件に発明者として名を連ねています。Appleが、そしてジョブズ氏が、いかにパッケージデザインを重要と考えていたかが伺えます。
デザインマネジメントの観点から、Appleのパッケージデザイン戦略について整理します。

●目標設定
Apple製品におけるパッケージは、製品を使用する前のUX(ユーザー体験)を向上させる役割を担っています。

 

●市場調査
・Apple社の製品は、トップ自らが快適なユーザーインターフェースの実現を追求し、デザイナーや開発者とともに製品を作り上げています。そして、パッケージもその範囲に含まれています。

・Apple社は「ユーザー調査をしない」という通説があります。しかしながら、デザイナーや開発者たちは、日頃からユーザーと使用シーンを想定した「観察」と「洞察」を繰り返していることが想像されます。

 

●ブランドアイデンティティの理解
Appleのブランドアイデンティティは「テクノロジーによって人々の生活を変える」であり、パッケージは、消費者がAppleの製品を購入する瞬間から製品の体験価値を提供し、人々の生活を変える最初の役割を担っています。

 

●デザイン開発
一般的なIT製品にはまず使われることのない高級仕様のパッケージを開発・採用しており、iPhoneのパッケージには1箱数百円のコストが掛かっているといわれています。

 

●評価とフィードバック
Apple製品が発売されると、SNSには「開封の儀」(英語では”Unboxing”)というタイトルの、パッケージを開ける瞬間の動画が相次いで投稿されます。Appleのパッケージが、ユーザー体験を高め、体験価値を提供していることを示すものと言えます。

 

●ESG/SDGs対応
製品もパッケージも、プラスチック使用の削減や再生材料の活用促進の努力を続けています。

(参考)
Apple社ホームページ 詳しくはこちら→
日本経済新聞 2012年4月2日、30日「iPhone「箱」に革命(上)(下)」
(上)詳しくはこちら→
(下)詳しくはこちら→
日経BP社「アップルのデザイン」(2012年)
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