先週ご紹介した「中小企業におけるデザイン経営の効果に関する調査~見えてきた3つの効果~」では、「デザイン経営と知的財産の関係性」についても紹介しています。
特許庁が2023年に刊行した『中小企業のデザイン経営ハンドブック2』 では、技術アイデア、意匠、商標、ノウハウ、著作物といった自社固有の経営資源を「幅広い知財」と認識し、これらを経営に活かす活動(知財アクション)がデザイン経営の推進力になると伝えていました。今回のレポートでは、関係者へのインタビューを通じて、デザイン経営は自社がもともと持っている固有の経営資源が、デザイン経営の取り組みによって可視化される効果があることが分かったとしています。
デザイン経営のプロセスにおいて特に重要なのは、知的財産を生み出す「知的資産」に多く含まれる「暗黙知」を「形式知化」するプロセスです。企業文化や属人的な技能など、可視化されていない暗黙知は潜在的価値を十分に活かせないという課題があります。デザイン経営支援プログラムは、企業の歴史や経営者・従業員の想い、自社らしさの源となる経営資源を掘り起こし、アイデンティティの言語化やビジョンの構築、新商品開発に取り組むことで、この暗黙知の形式知化を実践します。つまり、デザイン経営は知的創造サイクルの「創造」段階を促進する有効なアプローチと位置付けられます。