広がる「CAIO」
PwC Japanグループは、売上高500億円以上の日本企業を対象に「CAIO実態調査 2025」 を実施し、その結果を公表しました。AI戦略を統括する「最高AI責任者(CAIO)」の設置状況や役割、成果への影響について提示しています。調査のポイントは以下のように示されています。

①CAIO設置の現状と二極化
正式なCAIOを設置している企業は22%であり、同等の役割を持つ責任者を含めると60%に達しています。一方で、現在CAIOを設置していない企業の97%は「数年以内に設置する予定はない」と回答しており、AI活用を組織的に推進する企業と静観する企業の間で、明確な二極化が進んでいます。

 

②設置による明確な効果
CAIOや同等の責任者がいる企業は、未設置企業に比べて、業務・技術・管理の全領域においてAI活用の推進度が平均20ポイント以上高いという結果が出ています。特に「営業・マーケティング」や「経営支援・意思決定」の領域で大きな差が見られます。

③CAIOのタイプと創出される成果の相関
CAIOの登用形態(社内・社外)や専門性によって、得意とする成果領域が異なります。
• 社内登用・業務領域専門のCAIO:既存事業やコスト構造に精通しているため、「コスト削減」や「新規収益源の創出」において高い成果を上げる傾向があります。CAIOの約7割は社内登用です。
• 社外登用・管理領域専門のCAIO:客観的な視点を持ち、「顧客体験(CX)の向上」において成果を出しやすい特徴があります。
• ガバナンス専門のCAIO:「リスク管理・ガバナンス」を専門とするCAIOがいる企業は、AI活用の後退度が著しく低く、堅実な進捗を見せています。これはガバナンスがブレーキではなく、安全に加速させるための「ガードレール」として機能していることを示唆しています。

 

④役割における理想と現実のギャップ
企業側はCAIOに対し、売上や効率化といった直接的な成果を期待する傾向がありますが、CAIO自身は「AIのリスク管理」「AI人材の採用・育成」「経営層への教育」といった、組織の基礎固めや将来への投資をより重要視しており、認識にギャップが存在します。

 

⑤組織体制と連携
CAIO設置企業では、開発者だけでなく、業務知見を持つビジネスアナリストやUX/UIデザイナーなどの登用が増加しており、AIの民主化が進んでいます。また、成果を出すためには他のCxO(CEO、CIO、事業部門長など)との連携が不可欠ですが、顧客体験の向上など一部の領域では、CAIOが独立して推進する場合でも十分な効果が見られています。

CAIOの設置は目的ではなく何らかの目的を達成するための手段であり、自社でAIを活用する目的・活用によって獲得したい成果をふまえて、適切な人材を登用すべきであるといえます。
また、生成AIの進化が急速に進む現状においても、大手企業の中でAI活用への積極性に差があるのは気になるところです。AIを積極的に活用して成長を目指している中小企業やスタートアップが大手企業とオープンイノベーションを進めようとする際には、CAIOを設置するようなAI活用への積極性があるか?確認するのも良さそうです。
<参考URL>
PwC Japanグループホームページ  調査/レポート「CAIO実態調査2025―AI経営の成否を分けるリーダーの条件」  詳しくはこちら→
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